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型月円卓好きに贈る『アーサー王物語』のススメ(239):円卓の崩壊~ガーウェイン卿VSラーンスロット卿~

前回までのあらすじ:ついにラーンスロット卿が一騎打ちに応じる。

ガーウェイン卿VSラーンスロット卿(第21~22章)

こうして戦いが始まった。
ここで突然ガーウェイン卿の特異体質について説明がなされる。朝の九時から正午までの三時間は自分の力が三倍になるというものだ。
みんな大好き「聖者の数字」の元ネタである。
だからアーサー王はガーウェイン卿のために、アーサー王の前で行われる戦いは九時から始めるよう気を遣っていた。
この能力について知っているのはアーサー王以外にほとんどいない。
どうもラーンスロット卿は知らない側だったらしく、徐々にガーウェイン卿の力が強くなっていくのを不思議に思った。
だがラーンスロット卿はしっかりそれに対して対策をうった。三時間ひたすら耐えたのである。
三時間が過ぎたところで、ラーンスロット卿は言った。


ラーンスロット卿「ずいぶんおやりのようでしたが、もう終わったようですね。今日はたいへん痛い思いをしましたので、今度はわたしが本分を果たす番ですね」


ラーンスロット卿は攻撃を倍にしてガーウェイン卿をボコボコにして横倒しにした。この男容赦せん。


ガーウェイン卿「なぜ身を引くのだ。戻るんだ、この偽りの騎士めが。さあ、わたしを殺せ、こうしてわたしを置き去りにすれば、わたしはまた元気になり次第また戦うぞ」
ラーンスロット卿「騎士よ。神の恵みにより、わたしはまた充分にお相手いたします。だけどいいですか、ガーウェイン卿よ、わたしは決して倒れた騎士を打ちません」


こうしてラーンスロット卿は城に戻り、ガーウェイン卿は戻って手当された。


ラーンスロット卿「さて、今日はこれで失礼します。わが王よ。おわかりになりましたか。王はこの城では勝利は得られないでしょう。もしもわたしが味方の騎士たちを繰り出させたならば、多くの兵たちが死ぬでしょう。
ですから、わがアーサー王よ、昔の慈悲の心を思い出してください。そして願わくば、わたしがいかにしようと、神のお導きが王にありますように」
アーサー王「ああ、なんと悲しいことだろうか。このような戦いが始まってしまったとは。ラーンスロット卿は私やわが一族との戦いを避けようとしているのだ。このことは今日よくわかったが、何と寛大な心を彼は、甥のガーウェイン卿に示してくれたことか」


アーサー王は悲しみのあまり病気になってしまった。そのためアーサー王側の兵士は包囲をするだけになり、ラーンスロット卿側も積極的に打って出る事もなかったため膠着状態が続いた。
一方ガーウェイン卿は三週間臥せったままだった。だが回復するとすぐにやってきて叫ぶ。


ガーウェイン卿「どこにいるのか? ラーンスロット卿よ、出てくるんだ。この偽りの裏切り騎士の臆病者よ。ガーウェインここにあり、そなたに言ったことが本当だと、証明してみせるぞ」
ラーンスロット卿「ガーウェイン卿よ、そんなお言葉をまだやめず、間違った言い方をされているのです。
おわかりですか、ガーウェイン卿よ、わたしはあなたにどれほどの力があり、どれほどやれるのかわかっています。
でもいいですか、ガーウェイン卿よ、それでもあなたはわたしを痛めつけることができないでしょう」
ガーウェイン卿「出て来い、この裏切り者の騎士め。そうでないなら、それを自分の手で証明したらどうだ。
運悪く前の戦いでは、そなたの手で傷を負ったが、その埋め合わせに今日は来たのだ。今日こそ、そなたに打ちのめされたように、そなたを打ちのめしてやるぞ」
ラーンスロット卿「神よ、みそなわせたまえ。この前あなたがわたしに屈したように、わたしがあなたにそうさせられたなら、わたしの一生は終わりでしょうね。
だがガーウェイン卿よ。いつまでも長いこと、わたしがぐずぐずしていると思ってはいけませんね。
またあなたは騎士らしくなく、まだわたしを裏切り者呼ばわりしていますが、わたしがあなたの手にあまる者だということを知らせてあげましょうか?」


こうしてラーンスロット卿とガーウェイン卿は再戦をすることになった。

<ツッコミ>
なんでこの男は被害者面してるんだよ!!!!!!!!!
上から目線すぎるんだよ!!!!

どうやら昼時ではなかったようで、ガーウェイン卿はボコられて地面に倒れた。
だがガーウェイン卿はすぐに立ち上がって剣を抜く。


ガーウェイン卿「降りるんだ、裏切り騎士め。もしロバの子がわたしを見捨てたとして、王と王妃の息子であるこのわたしは、そなたの期待にそむかぬだろうよ」


こう言われたラーンスロット卿は馬を降り、またガーウェイン卿と戦った。
この辺りでガーウェイン卿の力が強くなりだしたので、どうやら早朝から戦っていたらしい。御苦労な事である。
またラーンスロット卿は見事に耐え、ガーウェイン卿の時間が過ぎたところで言った。


ラーンスロット卿「さて、これで二度もあなたが危険な騎士であり、不思議な力を持っている方だということを見せていただきました。
これまでの生であなたは、数々の素晴らしい功績を見せられましたね。でもそれはあなたの力が増すときで、あなたは多くの優れた立派な騎士を欺いてきたのです。
だがもうその力強さは終わったようですね。さあでは、今度はいいですか、わたしの活躍をお見せしましょう」


<ツッコミ>
は??????????
いくらラーンスロット卿でもガーウェイン卿を馬鹿にするのは許さんぞ?????

ラーンスロット卿は早速力を倍にしてガーウェイン卿を気絶させた。どうも兜の上から古い傷の場所に食らったらしい。
だが息を吹き返すと、倒れたままでキレだした。


ガーウェイン卿「裏切りの騎士め、よいか、わたしはまだ死んではおらぬ。だから近くに来て、この勝負を最後までやり遂げろ」
ラーンスロット卿「わたしはこれ以上はやらぬ。あなたが立っているのを見たのなら、自分の足で立っているかぎり戦うでしょうが、立っていられないほどに傷を負っている人を打つようなまねなどしません。神はわたしにそんな恥を決してかかせないでしょう」
(ラーンスロット卿、城内に戻っていく)
ガーウェイン卿「裏切りの騎士め、よいか、ラーンスロット卿よ! この傷が治ったら、わたしはまた戦うからな! どちらかが死ぬまでは、そなたからは離れはせぬからな!」


ガーウェイン卿は一ヶ月臥せり、治ってまた戦おうとしたところでイングランドから便りが届いた。
この便りによってアーサー王軍勢は全て引き上げる事になる。
一体何があったのか、それは次回へ続く!

では、また次回。

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