公式の罠
最近、「公式の罠」というのがあるなあと考えている。
数学の問題集の解答・解説で、「○○の公式より、A=0。よって……」のような表現が出てくる。
公式。
覚えていたら便利なのだが、デメリットもあるのではないだろうか。
最近いろいろな人と話していて、世の中に出回っている公式や法則のせいで、考える習慣がなくなってきている。
ストレングス・ファインダーにしろ血液型にしろ、「私の資質最上位は○○だから」とか「A型だから」とかいう使い方をしたら頭が悪くなる。
それは自ら視野を狭める行為なので、視野を狭めたいときにしか有効ではない。
ずっとそのモードでいたら、考える能力がなくなる。
「私はA型だから緻密にこだわるんだ」という人には、「なぜ私はこれにこだわるのだろうか」という問いは立たない。
せっかくの学びのチャンスを、自ら潰している。
時代の流れが速くなったからか、「すぐに結果が出る」成功法則に皆飛びつく。
そして、明日結果を出すなら、たしかに何も考えない方がいい。
でも、それでは明日結果が出る(かもしれない)だけで、長期的には何も成長していない。
せっかくの人生、学んですごしたほうが楽しくないだろうか。
公式の罠から逃れよう。
公式の罠に陥らないためには、最後に「かもしれない」をつけるといい。
「A型だから」ではなく、「A型だからかもしれない」と言おう。
「かもしれない」だったら、公式もほぼ使えるうえに、「本当にそうだろうか」と考える余地もあるからだ。
とにかく僕たちは、「考えないための情報」を求めてしまいがちだ。
人間は、元々そういうものらしい。
学んだり考えたりするのは、面倒だから。
でも、それでは退化する一方だ。
まなびのヒミツ結社「101年倶楽部」では、「経験しながら考える」ことを大切にしていきたい。