『 57歳の初体験 』
= 誰にでも来る初めての時 =
今思えば15年前の初秋
生活の為の二種免許取得とは言え、教習合宿の教官に「罵倒?」されながらも必死に「教習車」を運転していた・・。
え~
この教習所教官の「罵声」ですが
その筋の話によれば、これはどうやら二種免許取得志望者には、
《こんなことでめげていたらこの仕事は務まりませんよ》的な意味合いで、あえて酷い対応をしているらしい。
ホントかな?
これは未確認ですけど
まあ、
ポジティブに捉えましょう!^^;
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
晴れて
実技と筆記試験にもパスして二種免を受け取り、ドキドキさせられたタクシーセンターでの地理試験にも合格。
会社の添乗教育も終わって満を持してのタクシードライバーとして街に出るその瞬間は期待と緊張感の入り混じった表現し難い気持ちでした。
しかし
今思うとそれはそれでとても「初々しい」新鮮なものだったのです。
さあ、いよいよ独りでの乗務です。
最終的な営業エリアの地理試験に合格してタクシーセンターから「乗務員証」を取得してから、タクシー会社でベテランドライバーによる二日間のかりそめの添乗教育は受けたものの、たった二日でどこまでこの仕事を理解できているのか・・
正直、殆ど分かっていない。
注:《このベテランドライバー添乗教育はそれぞれの会社で対応の違いはあります。》
まだまだ未熟なドライバーを街に「放し飼い」にするのはマジでいい加減なものだなと思ったその反面
個人の力量で生き抜いて行かなければならない、またそれを要求される職種なんだろうとの「気持ちの引き締まる」思いが重なった。
ライオンは自分の子供を崖から突き落とすと言いますが、生まれたてのタクドラのこれもそれと似たようなものだけど
大きな違いは
「そこに愛はあるんか!?」
ってことです。
そして
何事も初めての体験は印象に残るものですね。
ワタシは「こんなスタート」になりました。
お客様は20代のカップル。
短い距離でしたが一生忘れられない瞬間でした。
今でも鮮明な思い出として残っています。
バス停で手が上がり、ご乗車のサインです。
車を寄せ、ドアを開ける。
優しい良心的なお客様にありがちな、第一声。
カップル:「近いんですけど、いいですか?」
ザッキー:「どうぞ!どうぞ!」
(いいに決まってます!^^)
送り先をお聴きしてから
お客様に
『実はワタシは「新人ドライバー」で、お二人はワタシにとって初めての「記念すべきお客様」である』ことを正直にお話ししたのです。。
すると、彼女の方からなんと
「それは、おめでとうございます! 私たちも幸運です!」
とのお応え。
その思いがけない「温かく、ハイセンス」なお客様のリアクションは、緊張でガチガチになっている新米タクドラのワタシには本当に涙が出そうになるほどの感激でした!
ワタシの記念すべきタクドラとしての第一歩はこんな爽やかな「一期一会」の幕開けとなり
思えば満57歳の晩秋の出来事でした。
それから早くも十数年が経ちましたが、未だにその「初体験」は忘れることの出来ないワンシーンとして記憶に刻まれています。
この仕事に出会えて良かった!!
ワタシは鬼のように「幸運」な男です。
そして今日も
その「幸運という相棒」を助手席に乗せながら日々の営業活動を継続しています。
ではまた。
コラム・タクドラ@zakkiy