20060313 群衆の中の無名時代のヒトラー(2)
第一次世界大戦勃発$${^{*1}}$$でドイツの宣戦布告に沸く群衆中の無名時代のヒトラー$${^{*2}}$$の姿を撮影$${^{*3}}$$したのは、ハインリッヒ・ホフマン$${^{*4}}$$という人だったようだ。彼は1920年にナチ党に入党して、ヒトラーの公式写真家となった$${^{*5}}$$。ホフマンは最初からヒトラー$${^{*6}}$$を撮影するつもりでこの写真を撮ったのだろうか。
群衆の中のヒトラーが撮影された$${^{*7}}$$のは、1914年の八月二日だからホフマンはまだナチに入っていない。それよりもまだナチ党は結成されていなかった。ナチが結党されたのは1919年$${^{*8}}$$である。
おそらく群衆の中に偶然ヒトラーを見つけ出したのはホフマンなのだろう。ヒトラーがナチ党の党首になるのは1921年だから、ホフマンはそれ以降に見つけたのかも知れない。
写真の人物は「ヒトラー」$${^{*9}}$$と信じられているが、もしかしたら「そっくりさん」という可能性もある。確かに本人だという確証があるのだろうか。本人に確認しているとしてもそれは証拠にはならない。人違いであっても愛国心に満ちた自分を演じてくれている他人を否定する理由は全くない。
この絵はヒトラーがミュンヘンに移り住む前に描いた自画像$${^{*10}}$$である。この頃のひげ$${^{*11}}$$はコールマン髭$${^{*12}}$$である。第一次世界大戦にドイツ兵に志願した時はカイゼル髭$${^{*13}}$$、そしてナチ入党後は有名なあのちょび髭$${^{*14}}$$になる。群衆の中のヒトラーもちょび髭のように見える$${^{*15}}$$。
ところが群衆の中の写真の時期はちょうどコールマン髭の時期とカイゼル髭の時期との間である。つまりコールマン、ちょび、カイゼル、ちょびという順番になっている。これはかなり不自然だ。髭は直ぐに生えてくる$${^{*16}}$$ので形を変えるのは簡単である。しかし気分的に形を変えるのはかなり抵抗がある。コールマン髭からカイゼル髭$${^{*11}}$$は伸ばすだけだからいいが、ちょび髭はコールマンもしくはカイゼル髭の両端を剃らなければならない。これはかなり思い切りがいる。
もしかするとあの写真の人物は本当に他人かも知れない。
*1 ドイツの実情: 第一次世界大戦
*2 20060312 群衆の中の無名時代のヒトラー
*3 First World War.com - Feature Articles - A Slow Fuse - Hitler's World War One Experience
*4 Biographie:Heinrich Hoffmann, 1885-1957
*5 Heinrich Hoffmann
*6 Hitler Historical Museum
*7 Adolf Hitler Picture - Celebrates the Declaration of WWI
*8 ナチ党 ナチス ヒトラー
*9 The Rise of Adolf Hitler by Professor Jeremy Noakes
*10 youngadolfselfsketch_th.jpg
*11 理容の歴史 こぼれ話篇
*12 Colman_Ronald.html
*13 Adolf Hitler Picture - Hitler as a Soldier in WWI
*14 Biographie:Adolf Hitler, 1889-1945
*15 BBC - History - The Rise of Adolf Hitler
*16 著者
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