20021229 カレイの擬態
水族館$${^{*1}}$$に行ったらカレイかヒラメの擬態$${^{*2}}$$の説明があった。これらの魚は自分がいる砂地の色合いや模様に合わせて自分の体の色や模様を変化させることが出来る。
どうやって砂地の色とか模様とあわせているのだろうか。ヒラメやカレイは目玉が二つとも表側に寄ってしまって裏側には目$${^{*3}}$$がない。それなのにどうして砂地の様子が分かってしまうのだろう。
水族館の擬態の説明には砂地の模様に合わせるだけではなく、底が市松模様$${^{*4}}$$になった水槽の中にカレイを入れてやると、なんとカレイの体の模様が市松模様になると書いてあった。カレイやヒラメの目は表側に付いていて真上しか見られないような気がするが、よく考えてみると視野が180°の魚眼レンズ$${^{*5}}$$だから自分のすぐ周りの様子が分からないこともないのだろう。
それにしても人間の目からすれば、魚眼レンズで180°付近の画像は相当歪んだ像になっている。その歪んだ像から市松模様を再現$${^{*6}}$$するのだから凄いことである。一体、カレイはどうやって自分の体の模様がちゃんと市松模様になっていると言うことを確認したのだろうか。
カレイやヒラメは擬態を外敵から身を守ったり、捕食のための隠れ蓑$${^{*7}}$$にすることに使っている。うまく擬態が出来ないカレイやヒラメはどんどん淘汰されていったのだろう。自然の砂地であれば長い年月を掛けて自分の体の色がちゃんと砂地の模様にあっているかどうか$${^{*8}}$$が確認できる。合っていれば外敵に食べられないし、捕食も上手く出来るが、上手く合っていないと外敵に食べられるだろうし、餌もうまく捕まえられない。こうやって自分の体が端から見て上手く化けているかどうかが知ることが出来る。
カレイやヒラメの進化の過程では市松模様の砂地はそんなに出現しなかったに違いない。つまり上手く市松模様になっているかどうかの確認は出来ないのではないだろうか。水族館の説明では写真ではなく、市松模様になったカレイの「絵」で説明がしてあった。本当に市松模様になるのだろうか$${^{*9}}$$。更にこんな市松模様$${^{*10}}$$のだったらカレイはどうするつもりなのだろう。
*1 19990730 ペンギン
*2 ヌマガレイ
*3 カレイの解剖
*4 Lonseal Online 「江戸時代のデザイン感覚 ―歌舞伎に見る色と意匠―」
*5 魚眼レンズ写真館(魚眼レンズを通して見た大阪の街)
*6 finalRender -- OakCorp HomePage
*7 海の仲間たち
*8 Mimicry : A weapon for the weak
*9 連載エッセイ『The Dream Of Sea』SAPNET INTERNET SERVICE 海底のごみに擬態しようとするカレイ
*10 Checkershadow Illusion 実はAとBとは同じ濃さの灰色 日本語の説明