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20060430 花札(3)

 花札の絵柄$${^{*1}}$$で草木以外に登場する物が色々ある。動物では何種類かの鳥、蝶、猪、鹿、蛙、人、その他では短冊、幕、橋、盃など$${^{*2}}$$。動物では鳥が一番多い。

 一月の鶴。これは一目瞭然で一目見て鶴と判る。二月の鶯。梅には鶯なので、鶯でいいのだが、描かれているのはそうではないと言う説がある。ウグイス$${^{*3}}$$はうす茶緑色$${^{*4}}$$で、いわゆる鶯色をしている。絵柄の方は翼は鮮やかな黄緑色で腹が黄色で眼は赤い。印刷の都合で鶯色の代わりに黄緑色$${^{*5}}$$になる場合もあだろう。しかし鶯の腹は白っぽいにも拘わらず、絵柄では顔から腹にかけて黄色い$${^{*6}}$$。メジロ$${^{*7}}$$だと言うのである。確かに梅が咲く頃にはメジロが梅にとまる。そしてメジロの顔の下付近は黄色い。ただメジロは眼の周りが白いのでその点は大きく食い違っている。

 四月の時鳥(ホトトギス$${^{*8}}$$)。この絵柄の鳥が時鳥というのは知らなかった。本当の時鳥$${^{*9}}$$は翼が黒い。十月の$${^{*10}}$$が橙色なのは朝方か夕方に飛んでいる$${^{*11}}$$のを想定しているからだろうか。ホトトギスも後ろに有明の月がある$${^{*12}}$$ので、明け方の空色に染まっているということなのか。

 十一月の柳の下で飛んでいるのは燕$${^{*13}}$$らしい。色が全然違う。十二月に鳳凰$${^{*14}}$$が出てくるので、十一月のこれも想像上の鳥$${^{*15}}$$だと思っていた。顔が赤、翼が黒、腹が白の燕$${^{*16}}$$がこんな色になったのは図柄の中の黒い柳と区別するためであろう。そうだとすると二月の鶯を「本当はメジロなのだ」とするのは間違いかも知れない。勘違いでも何でもなく、際立たせるための図案上の都合なのであろう。

*1 20060429 花札(2)
*2 Hanafuda: The Cards
*3 ウグイス|日本の鳥百科|サントリーの愛鳥活動
*4 鶯色 うぐいすいろ #928c36
*5 黄緑 きみどり #b8d200
*6 aafuda02.jpg
*7 メジロ - 新城設楽の野鳥
*8 19991231 大晦日のまじない
*9 ホトトギス|日本の鳥百科|サントリーの愛鳥活動
*10 マガン|日本の鳥百科|サントリーの愛鳥活動
*11 宮城県/みやぎの野生生物/ガンカモ科鳥類生息調査
*12 京都せんべいおかき専門店【長岡京小倉山荘】:【百人一首講座】ほととぎす鳴きつる方を眺むれば ただ有明の月ぞのこれる─後徳大寺左大臣
*13 Normal42.jpg
*14 phha_4_10.jpg
*15 JAANUS / houou 鳳凰
*16 ツバメかんさつ全国ネットワーク ツバメの図鑑

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