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20070721 温暖化の説明図(6)

 地球温暖化説明図$${^{*1}}$$の続き。温度が「$${-19\degree C}$$」で、宇宙に無限に広がる一枚の平板がある。これに自分自身が熱源を持たない平板を平行に置くと、もともとあった平板の温度は何度になるか。もともと「$${-19\degree C}$$」なのだから、別の板を平行に置いただけで温度が変わるはずがない。しかし平行に置いた板からの戻りのエネルギー放射によって、「$${-19\degree C}$$」の方の平板の温度も上昇するという計算になってしまった。何が間違っているのだろう。

 正味のエネルギーの移動で考える。対象とするそれぞれの温度が一定になっている状態を想定する。物体が温度を持つことによって、その温度の四乗に比例したエネルギー$${^{*2}}$$の電磁波が放出$${^{*3}}$$される。室温付近であれば赤外線が主体$${^{*4}}$$になる。物体間で電磁波のやり取りがあるが、正味のエネルギーの移動は温度の高い物から低い物への移動だけ$${^{*5}}$$である。

 戻りのエネルギー放射があっても正味のエネルギーの出入りの結果、温度が決まっていると考えればいい。「$${-19\degree C}$$」の平板からは「$${1}$$平方メートル当たり$${236W}$$のエネルギー」が出ている。平行に置いて熱源のない平板はそのエネルギーを受け取り温度が上昇し、最終的には一定温度になる。受け取ったエネルギーは平行に置いた板の表裏から半分ずつ再放出する。「$${1}$$平方メートル当たり$${118W}$$のエネルギー」は宇宙に放出され、「$${1}$$平方メートル当たり$${118W}$$のエネルギー」は「$${-19\degree C}$$」の平板に戻る。

 従って「$${-19\degree C}$$」から出ている「$${1}$$平方メートル当たり$${236W}$$のエネルギー」から、平行に置いた板からの戻りの「$${1}$$平方メートル当たり$${118W}$$のエネルギー」を引いた分が、移動している正味のエネルギーとなる。これは平行に置いた平板から宇宙に放出しているエネルギー量と同じになるので辻褄が合う。「$${-19\degree C}$$」の平板の片面から出ていくエネルギー量が半減したのでその分はどうなるのか。どこかに行ってしまうのか。もともとの平板の温度が「$${-19\degree C}$$」のままであれば、どこかに行ってしまう。そうでなく「$${-19\degree C}$$」の平板の温度上昇に使われるとするならば、その平板の熱容量$${^{*6}}$$が決まらないと計算できない。熱容量が「無限大」の時はどうなるか。いくら熱エネルギーを注入しても温度は上昇しないので「$${-19\degree C}$$」のままである。熱容量が「$${0}$$」の時はどうなるか。温度が決まらない。

 ここで地球温暖化の図$${^{*7}}$$に戻る。「$${-19\degree C}$$」の平板とは、地球のことである。地球の熱容量が決まってないと二酸化炭素からの戻りのエネルギーによって上昇する地球の表面温度は決まらない。熱容量は大体そのものの質量で決まる$${^{*8}}$$。重い物は熱容量が大きい。大気中の二酸化炭素の重さ$${^{*9}}$$と地球の重さとを比較すれば圧倒的に圧倒的に地球の方が重い$${^{*10}}$$。二酸化炭素に比べて無限大としてもいいだろう。そうなると二酸化炭素の平板があるだけでは地表の温度は殆ど上昇しないことになる。

*1 20070720 温暖化の説明図(5)
*2 ステファン・ボルツマンの法則 Stefan-Boltzmann’s law of radiation
*3 プランクの法則、公式、放射則 Planck’s law of radiation
*4 ウィーンの変位則 Wien's displacement law
*5 熱力学第二法則の定義
*6 熱 容 量
*7 環境白書
*8 比熱
*9 観察1 大気の中にある物体(大気の圧力)
*10 地球の質量が再計算された(FLORIDA)

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