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20031027 石垣島(7) 水石
西表島で「鈴石」を買った$${^{*1}}$$。振ると中でからからと音がする珍しい石である。
水石というのもあった。「みずいし」と読む。水石(すいせき)$${^{*2}}$$というと盆に載せて盆栽$${^{*3}}$$みたいに鑑賞する自然石を指すが、「みずいし」は振ると中でちゃぽちゃぽ音がする石のことである。
石の中に水が入っているというのも不思議である。一体どうやって出来るのであろう。
鈴石は土の中の粘土の塊などの周りに水分中の鉄分が堆積して出来るのではないかといわれている。鈴石を割ってみると中から土か砂の塊が出てくる$${^{*4}}$$。
この鈴石が土の中である程度出来上がった時、何かのきっかけで鈴石にひび$${^{*5}}$$が入って、中に水が入っていく。すると鈴石の芯の粘土の塊は水で形が崩れてしまい、ひびから少しずつ流れ出す。しかしひびの隙間はごく狭いのでだんだん目詰まりをしだす。更に水にはもともと鉄分が多く含まれているので隙間に鉄分が堆積して、ついに鈴石のひびは完全に埋められてしまう。
鈴石の中にあった粘土は水に溶けてひびから外に出ていくのもあれば、鈴石の内側で鉄分と一緒に堆積してしまうのもある。ひびが埋められてからも閉じこめられた中の水に鉄分がなくなるまで堆積が続き、最後には鈴石の中には水だけが残ってしまう。もしかしたら芯の粘土は沢山残っていて泥水になっているのかも知れない。こうやって水石が出来るのではないだろうか。
そういえば、鈴石を買った出店$${^{*6}}$$のおばさんが鈴石が鳴らなくなったら天日でよく乾かすとまた鳴るようになると教えてくれた。これを聞いた時は一体どういうことなのか判らなかったが、考えてみれば、中の土が湿ると鳴らなくなり、乾けば鳴り出すということなのである。大抵の鈴石には目に見えないひびがあって水分が出入りしているのであろう。
*1 20031026 石垣島(6) 鈴石
*2 自然科学のとびら9巻1号―生命の星・地球博物館
*3 20030331 豆盆栽(3)
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