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20061016 風レンズ
「風レンズ$${^{*1}}$$」という物がある。小型の風力発電機に装着して使う。この「レンズ」を使うと風力発電のプロペラを通過する風の速さが1.4倍になるそうである。風速が増加する原理は風下の方に強い渦を発生させて風を余分に引き込ませるらしい$${^{*2}}$$。風下にできる渦はカルマン渦$${^{*3}}$$だろう。
これは非常に面白いしくみである。発明した人は何をヒントにこの仕組みを思い付いたのだろうか。名前も面白い。光の代わりに風を収束させる凸レンズ$${^{*4}}$$のようだからだ。分かりやすい名前である。
この風レンズを二重にしたらどうなるだろう。大きな風レンズの真ん中に小さな風レンズを置いたらどうなるか。大きな風レンズの中では同じように風が吹いているはずである。違うのは周囲の風速よりも1.4倍になっているだけである。その中にもう一つレンズを置けば更に1.4倍、つまり2倍になる。これをどんどん繰り返せばそよ風から物凄い風速が得られることになる。
現実はそんなに甘くはないのだろう。レンズの真ん中では渦が邪魔したりして更に渦ができるようなちゃんとした風が発生していないのかも知れない$${^{*5}}$$。しかし二重レンズぐらいは有効のような気がする。
*1 風レンズ マイクロ風車
*2 mecha02.png
*3 20031117 カルマン渦(2)
*4 20040321 コンタクトレンズの発明
*5 九州大学 流体科学研究室