20020412 フランク・ミュラーの時計
去年の6月頃$${^{*1}}$$、10月の結婚記念日に夫婦揃いの時計を買う計画を立てたが、未だに買っていない$${^{*2}}$$。それとは関係なく、見ていたら何となく欲しくなってきた時計がある。まだ完全に物欲の対象にはなっていない。
フランク・ミュラー$${^{*3}}$$の時計である。
その中にマスターバンカー$${^{*4}}$$と名付けられた時計がある。この時計は18金製ケースやステンレス製ケースのものがあるが、私が気に入っているのはステンレス製の方$${^{*5}}$$である。文字盤には綺麗なギョーシェ$${^{*6}}$$が施されている。
三つの独立した時刻が表示できることから、国際金融業界に携わる人々に実用的な時計ということでマスターバンカー$${^{*7}}$$と名付けられた。
気に入っている点は以下である。この時計は三つの時刻を独立に表示できるのだが、三つ分の小さな時計が筐体の中に入っている訳ではない。一つの駆動機構で三つ分の時針と分針を動かしている。更にたった一つの竜頭(りゅうず)でそれぞれの時刻の合わせが可能なのだ。
この機構に関してフランク・ミュラーは特許を持っている$${^{*8}}$$。機械時計の機構で特許を取っているところがいい。機械時計の機構$${^{*9}}$$は完全に成熟していて特許を取る隙間などない$${^{*10}}$$と考えがちだが、そうではないようだ。
竜頭は二段階で引き出せる$${^{*11}}$$ようになっている。一段引き出して右に回すと文字盤の上にある小さな時計の針が動かせ、左に回すと下にある小さな文字盤の針が動かせる。もう一段引き出すと大きな文字盤の針を動かすことが出来る。
一体どういう仕組みになっているのか。小さな二つの文字盤の針を動かすのに右に回すと上の針、左に回すと下の針に機械的に切り替わるようだ。針を動かすのはそれぞれ三つの歯車$${^{*12}}$$で行っている。
三つの歯車のうち図中の27番の歯車が少し工夫してある。図中29番の軸受けが円ではなく伸びた円になっていて軸が移動する様になっている。この歯車が右に回転すれば軸は自然に右の方にずれ、左に回転すれば左にずれる$${^{*13}}$$。
例えば上の小さな文字盤の針を合わせる時には27番の歯車が左にずれて、歯車の噛み合わせがつながる。この時下の文字盤の針を動かす歯車も同時に回転するが、こちらの軸が移動する歯車は右にずれるので噛み合わせが切れて、下の文字盤の針は動かない。逆に回れば上の針は動かず下の針が動く。
単純な仕組みで、表てでは複雑そうな動きをしてくれるところがいい。欲しいと思うが、物欲の対象に至らない理由がある。値段もあるが、大きさである。写真とその形から縦35mm横25mmぐらいの大きさを想像していたが、実際は縦45mm横32mmなのである。実物を見ると物凄く大きい。これが一番の原因である。
*1 20010604 シリコンの歯車
*2 20011020 揃いの腕時計
*3 フランク ミュラー正規認定中古時計 | フランク ミュラー ウォッチランド ギャラリー
*4 フランク ミュラー トノウ カーベックス マスターバンカー ステンレスブレスレット 2852MB OAC White | フランク ミュラー ウォッチランド ギャラリー
*5 Franck Muller, Watches, Master Banker, Franck Muller Master Banker Watches, and more Fine Swiss Watches at Astor Online
*6 Renzetti 1909 Milano
*7 ジュビリー【JUBILEE】ブランドウォッチの販売・買取・通販サイト/大阪・心斎橋 / 【中古】フランクミュラー 7850CCMB トノーカーベックス クロノグラフ "CHRONO-BANKER (クロノバンカー)” セカンド・サードタイム表示機能 シルバー文字盤 SS/レザー
*8 https://patentimages.storage.googleapis.com/47/cd/a0/ced13321872496/CH690514A5.pdf
*9 20020303 トゥールビヨン
*10 天賞堂 時計 BREGUET
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