20000830 盲牌
盲牌という言葉がある。「もうぱい」と読む。麻雀の牌$${^{*1}}$$を肉眼で見ないで指で触っただけでその牌が何であるかを知る行為、技$${^{*2}}$$を言う。麻雀牌の絵柄$${^{*3}}$$は牌に陰刻されている$${^{*4}}$$ので、描かれている線は凹んでいる。この凹んだ線を指で触って絵柄を読むのである。大抵は親指の腹でやる。
麻雀をやる上で盲牌が出来ても、それ程得があるわけではない。牌をツモッてくる間に絵柄が分かるだけで目で見るよりもコンマ何秒間得する程度である。麻雀は自分の牌を他の競技者に見られると不利なので手元まで牌を運んでから目で確かめる。その運んでくる1秒以下の時間に指で牌を「見る」という訳である。
牌によって判りやすいものとそうでないものがある。盲牌の初心者にとって最も簡単な図柄は「白$${^{*5}}$$」牌で、これは何も書いてないのでよく判る。何が判りにくいかは人によって様々であるが、最も判りにくいのは花牌$${^{*6}}$$であろう。通常の麻雀ではあまり使われない牌でドラと同じ役目がある。花牌は「春夏秋冬」の4枚でそれぞれその季節のものと思われる花の絵が描いてある。絵柄は細い線で描かれているので花牌と他の牌との区別が出来るが、どれがどの季節の牌なのかは殆ど判らない。「春夏秋冬」と漢字で書いてあるが、字の大きさが九筒の丸$${^{*7}}$$ぐらいの大きさなので字で判断するのも難しい。「ぎゃんぶらあ自己中心派$${^{*8}}$$」という漫画で出てくる「盲牌の渡辺」はこの花牌が識別できた。
指で触る盲牌ではなく麻雀卓で牌を滑らせるだけで、その絵柄が判る人がいるという話しが仲間内で誠しやかに伝えられていた。牌を滑らせたときの摩擦力の大きさ$${^{*9}}$$や滑り具合の違いで絵柄が判ったという。白牌の場合は何とか判りそうだが、他の牌は区別できるのだろうか。
これが出来ると麻雀の鬼になれるような気がして、かつて特訓したことがあった。しかし結局は判るようにはならなかった。考えてみるとこれが出来ても麻雀をやる上では全く役に立たない。たとえこの技を披露しても仲間に感心されるだけである。
*1 完全特注麻雀牌
*2 麻雀必殺技目録
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*4 陰刻技法 ステップ 1
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*6 花牌の使い方を教えて下さい。
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*8 ぎゅわんぶらあ自己中心派
*9 20000424 摩擦