20030508 分数
小学生の息子の宿題をみていたら真分数$${^{*1}}$$、仮分数$${^{*2}}$$、帯分数$${^{*3}}$$という言葉が出てきた。こんな言葉をいまだに学校で教えているのかと思い、びっくりした$${^{*4}}$$。日常でこれらの言葉を使うのは、小学生の算数を教える時ぐらいしかない。つまり将来の自分の子供の宿題を教える時に備えるために憶える言葉である。
かつて頭でっかちな子供を「かぁぶんすう(名古屋弁)」と言ってからかった時代があったが、今では殆どそんなことは言わない。日常で「仮分数」という言葉を使ったのはそんな時ぐらいであった。そのために教えていたようなものだった。
真分数、仮分数、帯分数の考え方が必要であれば、その都度説明すればそれで足りるはずで、その考え方の名称を特に憶える必要は全くない。教養として、雑学としてならばいいかもしれない。しかしその内容は「分子が分母に等しいかあるいはそれより大きい分数を仮分数という」と雑学としても全く面白味に欠ける代物なので、やはり無駄と言うべきだろう。
それにしても帯分数の読み方で「一か二分の一」の「か」とは一体何であろう。私は「か」と習ったが、「と」言う場合もあるらしい。「と」であれば、判りやすい。この「か」は「箇」のこと$${^{*5}}$$らしい。「一ヶ月$${^{*6}}$$」の「か」と同じである。
更に分数を読むのに何故「二分の一」と読むのだろう。算術的には「一を二で割っている」ので、「一の二分」とか「一、分の二」「一割ることの二」と言った方が判りやすい。金田一春彦$${^{*7}}$$氏がこんなようなことを言っていたような気がする。確かこの「二分の一」という読み方は江戸時代に出来た、とも言っていた。
英語では序数を使って「一の二分」のような読み方$${^{*8}}$$をしている。「over」を使った表現$${^{*9}}$$ならば「一、分の二」「一割ることの二」と全く同じになる。
分数を単独で読み上げる場合は「一の二分」の方がいいかもしれないが、演算を読み上げる場合、分母が先に判った方がいいような気もする。今となっては慣れの問題かも知れないが、分数の読み方を作った先人の苦労がうかがい知れる。
*1 国語辞典 英和辞典 和英辞典 - goo 辞書: 真分数
*2 国語辞典 英和辞典 和英辞典 - goo 辞書: 仮分数
*3 国語辞典 英和辞典 和英辞典 - goo 辞書: 帯分数
*4 数学教育:分数 (有理数) : 「真分数・仮分数・帯分数」
*5 珠洲たのしい授業の会 藤澤利喜太郎編纂『算術 教科書 上巻』(明治30年)
*6 20000606 thとy
*7 IZUMI FRIEND NET(金田一春彦ことばの資料館)
*8 BB-link子供無料英語、算数教室 英語で算数を学習しましょう。アメリカで学習するのと同じカリキュラムで
*9 特許翻訳の世界 翻訳さんぽみち-数式