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20010423 一巡

 麻雀を全く見たこともやったこともない人に、それがどんなゲームか説明するのはかなり難しい。それだけ他の伝統的なゲームに比較して複雑だからだろうか。それに必ず4人で遊ぶという特殊性があるからかもしれない。

 麻雀は136枚の牌と呼ばれるある一面だけに文字や絵柄が書いてある直方体を使う。その牌を4人それぞれに配り、牌を取り替えながら、その絵柄の組み合わせの複雑さ難しさを競う。絵柄の組み合わせの完成形を「役」という。「符」と呼ばれる基本の点数に対して「役」の出来映えによってその「符」を何倍するか決まる。「難しい役」であれば倍数も高くなる。その倍数を「飜(はん)$${^{*1}}$$」という。役が複合していれば役の分だけ飜も増える。

 特に作るのが難しくて綺麗な形をした役にはあらかじめ最高の飜数が設定されている。そのような状態を「役満貫」略して「役満」という。

 どんな役を「役満$${^{*2}}$$」とするかは日本全国統一ルールというのがないので様々である。その中で「天和(てんほう)」「地和(ちいほう)」「人和(りぇんほう)」というのがある。ただし「人和」は役満にしない場合がある。

 「天和」は最初に配られた状態で既に役が出来上がっている状態である。牌の取り替えは親と呼ばれる人から一枚ずつ順番に行う。4人の中で親は一人で、あとの三人は子と呼ばれる。親が最初に取り替えた牌で子の役が完成した場合、「地和」という役満になる。「人和」は子が最初に牌を取り替えて役が出来上がった場合である。

 牌の取り替えが一周するのを「一巡」という。この一巡というのは自分が牌を取り替えてから次の取り替えまでをいう。従って四人それぞれ一巡の始まりが違う。つまり巡目は満年齢$${^{*3}}$$と同じ数え方である。麻雀をやる人でも「一巡」の定義を皆が正月に一斉に年を取る「数え年」式と勘違いしている人が多い。

 従って勘違いしている人は、「天和」「地和」「人和」の成立が「第一巡目」と定義するが、これは間違いで、まだ牌を一度も取り替えていないので一巡する前の状態での役満である。敢えて言うならば「第零巡目」かもしれないが、一周していないので「巡」というのはおかしい。ただし、「一巡」と言う概念は日本式ルールの場合だけのようである。

*1 20001218 フランス人の麻雀
*2 20000616 確率
*3 20000725 満0歳

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