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20090709 最も長い蛍光灯

 蛍光灯$${^{*1}}$$はどこまで長くできるのか。蛍光灯が光る原理$${^{*2}}$$は、管内に封じ込められた水銀原子にフラメントから飛び出した電子が衝突して、その衝撃で水銀原子から出てきた紫外線がガラス管の内側に塗ってある蛍光物質に吸収され、眼に見える光を蛍光物質が放つのである。フィラメントから出てきた電子は蛍光灯の両端にかかっている電圧によって加速される。勢いが付いた状態の電子が水銀原子に衝突するとその勢いで水銀原子から紫外線が出る。電子に勢いがないと水銀原子に当たっても紫外線が出てこない。

 蛍光管が長くなればなるほど、電圧が一定ならば管内での電子の勢いは下がってくる。勢いが下がれば蛍光灯は消えてしまう。通常、蛍光灯は100Vで点灯しているが、電圧を下げていけば、ある電圧以下では光らなくなってしまう$${^{*3}}$$。電圧を下げることと蛍光管の長さを長くすることとは同じことであろう。

 ネオン管$${^{*4}}$$は蛍光灯とよく似た原理で発光する。ネオン管の場合は、光を出すのが管内に封じ込まれている気体そのものが光って見える。両端の電極に電圧を掛けて放電させる点は全く同じである。ということは、ネオン管を長くするには電極間に掛ける電圧も高くしなければならない$${^{*5}}$$。ただし、電極に電圧を掛けなくても蛍光灯を光らせる$${^{*6}}$$ことはできる。蛍光灯を高周波電源に近づけたり$${^{*7}}$$、静電気を持ったものに近づける$${^{*8}}$$と勝手に光る。この場合も蛍光灯全体を光らせるには高周波電源の規模や静電気の強さをそれなりにしなければならない。

 世界で一番長い蛍光灯は何か。$${^{*9}}$$だろう。あの長い稲妻を発光させるには相当高い電圧が必要$${^{*10}}$$である。

*1 20090704 蛍光灯の磁石
*2 構造と発光原理
*3 蛍光灯の測定結果
*4 大阪 道頓堀のグリコネオン・できるまで・その2
*5 アートネオンクラブ ★ネオンの概要★
*6 第87回「磁気と照明ランプ」の巻|じしゃく忍法帳|TDK Techno Magazine
*7 plasmaball2.jpg
*8 NHK高校講座 | 物理 | 第2回 第1編 電気 生活と電気
*9 20030914 雷(2)
*10 エースライオン(株):未知の部分もある雷のメカニズム

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