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20020131 水引

 贈答品や祝儀の包みにその飾りとして水引$${^{*1}}$$を付ける。その飾りのひものことを何故「水引」というか。語源は飾りひもの製法から$${^{*2}}$$やその形状から$${^{*3}}$$など色々あるようだ。

 ひもなので結び目が必ずある。結び方によって贈答の意味が変わってくる。ひもの色でも変わってくる。慶事、弔事の使い分けは色で簡単に判る。慶事であれば紅白、弔事であれば白黒である。これを間違える人は殆どいない。わざとやる人はいるかもしれない。

 結び方は主に三種類$${^{*4}}$$ある。花結びまたは蝶結び、結び切り、鮑結びまたは淡路結び。花結びは結びが簡単に解け、何度も結び直せる意味合いから、何度も繰り返してほしい事柄に用いる。結び切りは結びが簡単に解けない意味合いから、二度と繰り返してほしくない事柄、ずっとそのままの状態であって欲しい事柄に使う。鮑結びはひもがお互いに絡み合っているのがよく分かる結び方なので良い付き合い願うという意味があるらしい。従って慶事、弔事どちらにも用いられる。

 弔事は二度とあって欲しくないことばかりなので色は白黒で結び目は結び切りか鮑結びしかない。

 ところがお祝い事になると結び目は三種類全部あることになる。何度も繰り返して欲しくない結婚などのお祝いに「花結び」を使ってしまう間違いが発生しやすい。コンビニエンスストアでは皆同じように並んでいるので余計間違いやすい。それに「花結び」と「結び切り」とどちらがどちらを指しているのかいちいち覚えていられない$${^{*5}}$$。

 見分け方はひもの端が結び目の上か下かで見分ければよい。上にある場合は二度と繰り返して欲しくない事柄、下にある場合は何度でも繰り返して欲しい事柄に使う。それでは上下どちらがどっちかを忘れてしまったらどうすればいいのか。

 弔事の水引は例外なく二度と繰り返して欲しくない事柄なので必ずひもの端は結び目の上になる。弔事のひもの色は白黒なので、隣に並べてある白黒の水引のひもの端を見ればどちらがどっちか思い出せる。白黒が弔事か慶事か分からないことは大人ならばまずないだろう。

 ところで就職祝いはどちらの水引を使えばいいのだろう。結婚以外の一般的な祝い事にはひもの端が下の「花結び」を使うのだが、就職自体は何度もあって欲しいと願う事柄だろうか。水引で飾るのは日本の風習だからその範疇で考えるならば、転職はあってはならないことである。すると「結び切り」で贈るのが本来であろう。

 実際は「花結び」を使うのが普通$${^{*6}}$$である。

*1 みずひきはどんな植物?Weblio辞書
*2 水引あれこれ - 製造工程 - 伊予水引金封協同組合
*3 水引工房うおずみ - 水引の歴史
*4 水引結びの使い分け
*5 20000613 皐月と躑躅
*6 |||||||| お祝い本舗 ||||||||

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