見出し画像

20000410 ヴとバャ

 「ヴ」という表記を最初に考え出したのは宮沢賢治$${^{*1}}$$だと聞いたことがある。よく考えてみると英語の「v」の音がどうして「ウ」に濁点になるのだろう。

 ドイツ語の「w」の発音は英語の「v」の音である。一方、英語で「W」の発音は「ウ」になるので、これから「ヴ」という表記ができたのだろうか。

 「u」はもともと「v」から派生した文字で、17世紀までは特に区別なく用いられていたらしい。英語では「w」を「uu」ダブルユーと称し、フランス語では「vv」ドゥブルヴェというのでその名残がある。
 日本語の「ウ」の発音を表す「u」と「v」が兄弟であることから、「v」の発音を表すのに「ヴ」としたのかも知れない。ただローマ字の歴史からすれば「v」から「u」が出てきたのだから逆と言えば逆だ。

 小学生の頃、この「ウに点々」というのが新鮮であると同時にどうやって発音するのか悩んだことがある。濁点は濁る音を表すので「ウ」が濁るとは一体どういうことなのか、思っていた。しかしそのうち慣れてきた。

 もう一つ読み方を悩み続けた表記があった。
 バャリース$${^{*2}}$$である。バ行の拗音$${^{*3}}$$はビャビュビョしかないはずである。それなのに「バャ」なのである。何故このような表記になるのか大人になるまで納得できなかった。

 現在は「バヤリース$${^{*4}}$$」と表記するようだ。

*1 宮沢賢治イーハトーブ館
*2 バーチャ・バヤボーヤ
*3 FONTWORKS - 文字の雑学
*4 Bire-ley's

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?