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20090519 衝撃波

 空気中を超音速で飛翔すると衝撃波が発生する$${^{*1}}$$。「発生する」と書いたが、私はその衝撃波を見たこともそれから出てくる音も聞いたこともない。ジェット戦闘機などが上空で音速を超えるとそれによって発生した衝撃波が地上に到達すると爆音として聞こえると言う。往年の戦闘機F104$${^{*2}}$$は、東京タワーから通天閣までを数分程度で飛んだと言う記録があり、この記録は未だに破られてないらしい。と言うのも音速を超えてこの経路を飛ぶと経路直下の住民に衝撃波の影響が出るため、現在では陸地での超音速飛行が禁止されているためのようだ。従って現在は日本国内にいる限り、衝撃波を聞くことはできない。

 超音速を超える瞬間に戦闘機の周りに雲が発生するらしい$${^{*3}}$$。こういう写真$${^{*4}}$$を見ると如何にも音速を超えたと言う感じがする。

 ところがこの雲$${^{*5}}$$は音速の壁とあまり関係がないらしい。飛行機の翼でできる雲$${^{*6}}$$と同じようなもののようだ。音速を超えなくとも飛行機の周りに発生する。翼の上面にできる雲と同じで断熱膨張$${^{*7}}$$により周りの空気の温度が下がり空気中の水蒸気が凝固して水滴となり、雲ができる。音速に近くなると突然飛行機の周りの空気の圧力が極端に小さくなるのだろうか。飛行機の尖端で押し退けられた空気が円錐状に広がり、円錐内部の空気がその円錐に引きずられ圧力が下がるのかもしれない。ちょうど弾丸が通過したあと$${^{*8}}$$の様子のみたいな感じだろう。それがどうして音速近くで起こるのかよく解らない。まだその雲ができる理屈は議論されている$${^{*9}}$$らしい。

*1 20031118 鞭と手拭いとの音
*2 F104.jpg
*3 Photo in the News: Jet's "Sonic Boom Cloud" Caught
*4 CHEM 3366 Frames
*5 ChamorroBible.org: Tenjos (Agosto) 17, 2004, Salmo 144:1-2; Salmo 103:20; Salmo 84:11-12. Manguaguan na Palabran Si Yuus - God's Precious Words
*6 contrail.jpg
*7 断熱膨張
*8 High Speed and Photoinstrumentation Photographs - Exhibit 3 rubber-bands-1.jpg
*9 APOD: 2007 August 19 - A Sonic Boom

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