20031222 鍵と錠との特許
雑誌か新聞で鍵と錠前との広告が掲載されていた。その鍵と錠前とには特許$${^{*1}}$$があると大きく書いてあった。
特許を申請すればその内容は公開される。特許$${^{*2}}$$というのは発明者に対して一定の期間、その技術の独占権を与え、それによって得られた利益によって更に新しい発明を促す制度である。また社会全体の研究の重複を防ぐのと公開された技術内容をもとに更に新しい技術の創出させるために、特許を与えられた技術は公開される。これによって科学技術全体の発展が促される。
特許制度は技術内容の公開が大前提なので、公開されては困るような技術は敢えて特許を申請しないという戦略もある。製造技術など模倣されても検証しにくい技術は特許を申請しない場合もあり得る。
極端な例であるが、仮に卑金属から金を簡単に製造できる技術を開発したとする。この技術に対して特許は申請されないだろう$${^{*3}}$$。技術が公開されればたちまち模倣され錬金術による金が市中に出回り金の値段は下落する。特許権侵害$${^{*4}}$$の賠償どころではない。
鍵や錠前の技術の公開はどうだろう。錠前の構造を公開$${^{*5}}$$したら防犯の効果が下がってしまうのではないだろうか。それとも模倣されて利益を逸する方が大きな問題なのだろうか。どちらも大きな問題だが、優先度は後者の方が高いのかも知れない。
*1 20011030 冬用扇風機
*2 特許庁ホームページ
*3 20020612 錬金術
*4 特許権侵害
*5 「閉じる鍵と開ける鍵が異なる錠」の特許申請
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