見出し画像

20030103 エックス線CT

 朝、横で寝ていた一歳になる末娘の泣き声で目が覚めた。あやそうと思い抱きかかえると突然胃の中の物を戻した。これは尋常ではないと判断し、すぐに病院に電話をした。正月三が日なので救急指定病院に電話した。すぐに来てくれということなので早速支度をして出かけた。

 元旦に近所を散歩していて転んで頭を打っていることを話したら脳の検査をすることになった。眠気を催す吐き止めの点滴をして、寝入ったらCT$${^{*1}}$$を撮るという。

 点滴をし出してから十数分後、完全に眠った様子だったのでCTの部屋$${^{*2}}$$に連れて行った。点滴をしたまま撮影をした。

 CTとはComputed Tomography$${^{*3}}$$もしくはComputerized Tomography$${^{*4}}$$の頭文字らしい。Tomographyとは断層写真という意味でtomoはギリシャ語で薄片という意味らしい。topography地形測量$${^{*5}}$$と間違いやすい。

 肉体や物体を透過することが出来る放射線などを照射すると、物体の部分的な透過の仕方の違いによって透過した放射線の強度が変化する。これをそのまま写真のフィルムに照射すれば放射線の強度に従ってフィルムに濃淡が出来る。これを最初に発見したのはレントゲン$${^{*6}}$$で、現在でも使われているエックス線を使った身体の内部の撮影法$${^{*7}}$$の原理である。

 CTは放射線を物体に様々な角度から照射し、それぞれの透過の仕方と照射した角度からコンピュータで逆算して物体の断面の構造を求める手法$${^{*8}}$$である。断面を積み重ねれば立体画像を得ることが出来る。

 物体を透過してその強度が測定できればどのような種類の放射線$${^{*9}}$$でもいいはずである。エックス線ではなく身体に陽電子を放出する薬剤を注入して身体の中で陽電子が消失する時に放出される放射線を利用するCT$${^{*10}}$$もあるらしい。

 撮影が終わった後、娘の頭部の断面$${^{*11}}$$と透視像を見せてもらった。娘には何とも異常がなかったのでこんな呑気なことが言ってられるが、頼朝公$${^{*12}}$$御幼少の砌(みぎり)の髑髏(しゃれこうべ)を思い出した。結局、単なる風邪だった。

*1 [ HITACHI MEDICAL CORPORATION ] 製品の歴史
*2 頭部CTスキャン
*3 CT(Computed Tomography)|高崎総合医療センター
*4 Computed Tomography (CT)
*5 Shuttle Radar Topography Mission
*6 原子力のページ - 調べる - 原子力の基礎 - 放射線の種類と特徴
*7 X線撮影|国立国際医療研究センター病院
*8 CTスキャンのしくみ | 産業用CTスキャンサービス | 株式会社JMC
*9 5 いろんな種類の放射線 - 社団法人 日本アイソトープ協会
*10 What PET?
*11 実践研究 生物
*12 都市鎌倉

いいなと思ったら応援しよう!