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20020112 しゃこ貝

 しゃこ貝$${^{*1}}$$は世界最大の2枚貝である。車が入るくらい大きいという意味で「車庫貝」と言う名前が付いたとずっと思っていた。

 漢字で「石車 石渠 貝$${^{*2}}$$」と書くらしい。パソコンで表示$${^{*3}}$$出来ない漢字なので、偏(へん)と旁(つくり)をそれぞれ一字で表してみた(※2002年の執筆当時、標準的なパソコンでは表示できなかった)。「石偏に車」で「しゃ」、「石偏に渠」で「こ」である。渠という字はあまり見かけないが、溝という意味で、「暗渠(あんきょ)」といえば下水道$${^{*4}}$$という意味である。それに石偏が付いているので殆ど見かけることのない漢字である。

 もともとは「車渠(しゃこ)」だったが、玉石の部類に入れたために石偏を付けてしまったらしい。車渠とは車の溝、轍(わだち)のことである。「車庫」を想像していたのはあながち遠くはなかった。

 しゃこ貝の一種で「しゃごう$${^{*5}}$$」という名の貝がいる。車螯と漢字で書く。「螯」とは蟹のはさみという意味である。何故「くるまの蟹ばさみ」なのだろう。学名も変わっている。Hippopus hippopusで繰り返しの名前$${^{*6}}$$である。

 この車螯は蜃(しん)ともいわれた。蜃には虫偏が付くが、貝である$${^{*7}}$$。「蜃」とは大蛤(はまぐり)のことで、これが吐き出す「気」で海の上に楼台が出来ると信じられていた。これが蜃気楼$${^{*8}}$$である。

*1 標本解説:オオシャコガイ
*2 しゃこがいとは - Weblio辞書
*3 JIS漢字(池田証寿)
*4 平成11年度第8回いきいき下水道賞 ; 東京都 江戸時代石組み下水暗渠の保存・復元 - 下水道 - 国土交通省
*5 シャゴウ | 軟体 | 市場魚貝類図鑑
*6 20001103 ゴリラゴリラ
*7 20000814 虹
*8 日本蜃気楼観望MAP

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