見出し画像

20020227 名南製作所

 ベニヤ板など合板製造機械の設計、製造、販売をしている名南製作所$${^{*1}}$$という会社がある。本社は名古屋市のすぐ南にある大府(おおぶ)市$${^{*2}}$$にある。「名古屋の南」で「名南」であろう。

 この会社の事務室内には壁や仕切が一切ない$${^{*3}}$$らしい。社長の机も間仕切りのない同じ事務室内にある様だ。しかも部課長制度もない。社員一人一人が自由な発想で自己責任において業務を達成する仕組みになっているらしい。その仕組みを維持するための人材の確保も難しい。入社の試験は社員と受験者が一緒になって物理実験や討論などを数日に渡って何時間も行って、この会社の社員としての適性を見極めるということである。

 この会社の表玄関の建物$${^{*4}}$$には大きく「F=ma」と書かれている。製品の動作も会社の経営$${^{*5}}$$もこのニュートンの第二の運動法則$${^{*6}}$$のように根本は単純明快であることを示しているのだろう。

 簡単な原理で仕組みを構築するのは易しいようで難しい。人が集まれば人それぞれの思惑があるので決め事などがどうしても複雑になる。それをさも簡単であるかのような「判りやすい説明」をすれば、そこには欺瞞が発生する。近頃は制度自体は変えずに説明の仕方だけを変える風潮になっている。説明をされても直ぐに理解できないのは説明する側にも問題がある場合があるが、聞く側にも当然問題はある。説明される側もそれなりの勉強が必要なのだ。

 しかし理解するのに一般大衆が相当勉強しなければならないのなら説明を簡単にするのではなく、制度を簡潔に作り替えるべきなのである。一部の者が利益を得るために複雑な制度はそのままにし、その一方で簡単な説明しか理解できないような大衆を作り出す$${^{*7}}$$。これを大罪と言わずして何というのか。

*1 名南製作所 ホーム ページ
*2 大府市のホームページ にようこそ
*3 トピックス
*4 会社案内
*5 バックナンバーWeb表示ページ
*6 Newton's Three Laws of Motion
*7 文部科学省ホームページ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?