20040826 マイナスイオン(2)
「マイナスイオン」「プラスイオン」のどちらも厳密な学術的な用語ではない$${^{*1}}$$ことが解った。雑記草の過去の記事でこれらの言葉を使ったものがあるかどうか$${^{*2}}$$調べてみると「プラスイオン」という言葉を使った記事が数件あった。「陽イオン」のつもりで「プラスイオン」という言葉を使っている。
大学の研究室$${^{*3}}$$や国の研究所$${^{*4}}$$でも「プラスイオン」という言葉を使っている例があるので全くおかしな用語ではないのかも知れない。この場合でも「陽イオン」の意味で使っている。「plus ion」という言葉を使っている海外のページ$${^{*5}}$$もある。
ここで言っている「マイナスイオン」「プラスイオン」の定義は明確である。つまり「陰イオン」「陽イオン」$${^{*6}}$$のことである。ちゃんとした用語ではないが、はっきりした意味がある。
ところが怪しげな効果を示そうとする怪しげな商品の「マイナスイオン」「プラスイオン」の正体はよく解らない。こういったわけの分からぬ「マイナスイオン」の糾弾はこのページで散々行われている$${^{*7}}$$。「マイナスイオン」というのは負に帯電した微小な粒子の総称とすればいいようである。「プラスイオン」はその逆である。特に空気中に浮遊している微小な水滴が帯電するとマイナスイオン$${^{*8}}$$とさる業界では言うらしい。もしかしたら帯電していなくても水滴に「陰イオン」が含まれていれば「マイナスイオン」になってしまうのかも知れない。帯電していないのだから必ず「陽イオン」もその水滴に含まれているが、陰イオンだけに注目して「マイナスイオン」と称している場合もあるかもしれない。
液体の水H2Oは、わずかながらH+(陽イオン)とOH-(陰イオン)とに分離している$${^{*9}}$$。さる業界の人々にかかれば、上記の定義を使って単なる水を霧吹きで細かい水滴にして「マイナスイオン」が発生していることにしてしまうのかもしれない。
*1 20040825 マイナスイオン
*2 雑記草検索
*3 ビーム物理通信
*4 生きている機械!?-分子レベルで動かす!-3-
*5 Zeta Potential
*6 NHK高校講座 | 化学基礎 | 第11回 イオンの形成
*7 トッピックスインデックス 市民のための環境学ガイド
*8 久しぶりのマイナスイオン 市民のための環境学ガイド
*9 水の電離とpH
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