20000619 カブトエビ
昨日、蟹$${^{*1}}$$を採りに行こうと思い、近くの田圃を覗いた。田植えをしたばかりの稲はまだ田圃の土にしっかりと根付いていないのか、元気よく生えている様子ではまだない。
蟹と行ってもザリガニ$${^{*2}}$$ではない。去年の夏の終わり頃、蟹の死体を田圃で見つけた$${^{*3}}$$ので、今度は生きた奴を見に行こうと思った。
田圃を覗くと何か動く物がいる。最初はオタマジャクシかと思ったが、すぐにカブトエビ$${^{*4}}$$だということに気付いた。カブトエビの存在を知ったのは成人してからで、子供の頃は知らなかった。子供の頃は農薬が盛んに使われていたので田圃の生き物はオタマジャクシと蛙ぐらいしかいなかった。
カブトエビの存在を知ってから実際に見てみたいと思って図鑑などを調べていたら、和歌山県、奈良県以西に分布しているとあったのでわざわざそこまで行ったことがある。和歌山まで行って野良仕事をしている農家の人にカブトエビを探していると言ったら「知らんなぁ」と言われてすごすごと帰ったこともあった。
そうしたら歩いて数分の所の田圃にいた。うじゃうじゃ$${^{*5}}$$いた。一緒にホウネンエビ$${^{*6}}$$もいた。これもかねてから実物を見てみたいと思っていた生物である。所が不思議なことにうじゃうじゃいた田圃の隣の田圃にはカブトエビが一匹もいない。ホウネンエビもいない。幅が30cm程度の畦道で仕切られているだけなのに全くいなかった。幅30cmの畦道を2~3cmのカブトエビは越えることは出来ないが、その卵は土と一所に耕耘機や人間によって運ばれてもおかしくはない。
更にうじゃうじゃいた田圃のカブトエビの「兜」には模様がなく茶色一色であったが、カブトエビが一匹もいない隣の田圃のそのまた隣の田圃にはカブトエビが少しいた。その兜は黒と茶のまだら模様であった。
もしかしたらカブトエビがいる田圃は有機農法$${^{*7}}$$を実践しているのかもしれない。カブトエビは常に足を動かし田圃の泥をかき混ぜながら雑草の芽を食べたりするので除草剤の代わりになる。益虫なのである。農薬が出現する前は昔は当たり前に沢山いたが、農薬のお陰で激減したためわざわざ養殖したのかもしれない。
田圃によってカブトエビの種類が違うのは農家によってカブトエビの仕入先が違っていたためだろうか。
*1 小林博士のモクズガニ生態図鑑
*2 アメリカザリガニ
*3 19990926 釣
*4 群馬県立自然史博物館 収蔵庫を探る 無セキツイ動物 エビ・カニ類 カブトエビ・ミジンコの仲間
*5 かぶとえびの部屋
*6 群馬県立自然史博物館 収蔵庫を探る 無セキツイ動物 エビ・カニ類 カブトエビ・ミジンコの仲間
*7 有機農業って何