見出し画像

20000928 燃費改善

 強力な磁界によってガソリンの性質を改変させて自動車の燃費をよくする装置$${^{*1}}$$が巷では売られている。説明書には磁界によってガソリンの分子が揃って$${^{*2}}$$ガソリンが燃焼しやすくなり、燃費が良くなると言うような事が書いてある。

 化学的、物理的にそんなことが言えるかどうかは今一つ釈然としない部分がかなり多くあるが、製品として成り立っているところを見ると何らかの効果があるのであろう。

 数年前にこの自動車の燃費改善装置に興味を持ち一寸調べてみたら、どうも磁石が付いているだけのようである。燃費改造装置としてはどのメーカーのものも数万円という値段が付いていた。磁石だけで数万円も払うのは癪なので磁石だけを買ってきて装着することを考えた。上の原理で燃費が良くならば磁力は強ければ強いほど効果がありそうである。燃費改善装置の磁石を見てみると単なるフェライト磁石$${^{*3}}$$のようなので、それよりも格段に強い磁力をもったNd(ネオジム)-Fe(鉄)-B(ほう素)磁石$${^{*4}}$$を買ってきた。

 燃費改善装置を装着するのとと同じように自動車の燃料配管にその磁石を取り付けた。比較実験するために知人の自動車にも同じように取り付けた。

 燃費を満タン法$${^{*5}}$$で測定してみると僅かであるが燃費が向上している。磁石の効果があるのか。同じように磁石を取り付けた知人に燃費が良くなったかどうか聞いてみた。さほど変わらないと言う。

 これはどう読むか。プラシーボ効果$${^{*6}}$$のようなものだと思う。燃費が良くなるかも知れない、良くなって欲しいと思いながら運転するので無意識のうちにアクセルペダルの踏み方やブレーキを踏む回数などが変化してくるのだろう。半ば強制的に磁石を取り付けられた知人は実験結果などどうでもよいので運転の仕方が変わらなかったのだろう。

 科学的な実験方法では全然なかったが、磁石を付ければ燃費が良くなるはずだ、という心理的な効果として燃費が良くなったということは、それはそれでその装置の効果があるとすべきだろう。

*1 燃費向上グッズ
*2 磁気下ではガソリンは分離する
*3 第13回「磁石のつくり方」の巻
*4 強力な希土類磁石ネオジム磁石とは
*5 燃費考(1) 満タン法
*6 プラシーボとプラシーボ効果について

いいなと思ったら応援しよう!