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20040120 日食
2012年5月21日に九州から関東の太平洋側で金環食$${^{*1}}$$が見られる$${^{*2}}$$。
金環食$${^{*3}}$$とは、太陽の前を月が地球から少し遠いところを通過するため太陽を全て隠しきれずに太陽の周囲が少し見える状態をいう。
皆既食や金環食が起こるのは、太陽と月との見かけの大きさがほぼ同じという偶然$${^{*4}}$$からである。それにしてもそんなうまい偶然というのは起こるものだろうか。
まず「太陽が一つ」であったことが重要であろう。太陽が複数の恒星でなる連星$${^{*5}}$$であったら、日食は起こるだろうが、かなり起きにくくなるだろう。恒星の7割ぐらいは連星$${^{*6}}$$になっているらしいので、「太陽が一つ」というのは「たまたま」ということになる。
太陽の大きさ、月の大きさ、太陽と地球との距離、月と地球との距離、これらが全てうまく整っていないと太陽と月との見かけの大きさは同じにならない。
太陽の大きさに必然性はあるだろうか。太陽が今より少し大きくなるとどうなるか。太陽からの光が強すぎて地球に生命が誕生しなかったかも知れない。大きいから光りが強いとは言えない$${^{*7}}$$が、とにかく地球との距離、光りの強さがうまく合わなかったら地球での生命誕生はなかったのだろう。そうなると日食そのものを観測する者が出現しないので日食を議論することができない。太陽の大きさ、地球との距離、生命の誕生は大前提とするしかないだろう。必然ではない。
月の大きさはどうか。月と地球との距離はどうか。これも必然性はない。月がどうやって地球の周りを回りだしたかよく知らないが、軌道の半径や月の大きさはどんな値にでもなる。これはさまざまな軌道で回る人工衛星$${^{*8}}$$を思い浮かべれば解る。月の大きさは月の密度と重さ$${^{*9}}$$による。月の重さと月の軌道とは無関係$${^{*10}}$$なので、大きさや地球からの距離にもやはり必然性はない。
こう考えると宇宙で日食が起こっているのはこの地球だけではないかと思いたくなるぐらいの偶然が重なっているような気がしてならない。
*1 Solar Eclipses: 2011 - 2020 SE2012May20A.gif
*2 Solar Eclipses: 2011 - 2020 SE2012May20A.GIF
*3 日食について
*4 Mira House の事典 日食のおこる条件
*5 20010912 連星
*6 連星
*7 国立科学博物館-宇宙の質問箱-恒星編
*8 人工衛星の高度と速度
*9 月とは?
*10 ケプラーの第3法則のアプレット 参考:月に月がある? (科学のつまみ食い) ※「月の軌道は衛星の質量μにはよらない」とあるが、「衛星の軌道は衛星の質量μにはよらない」の記述間違い