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20020717 電気製品の郵便マーク

 電気製品にかっては郵便マーク「〒」が付いていた。「▽に〒」と「○に〒」とがあった。この記事を書こうと思って周りにある電化製品の裏側を見たが見あたらない。今はもう廃止されてしまっているらしい。

 郵便マークは電気用品保安法$${^{*1}}$$の施行により廃止された。電気用品の郵便マークの変遷$${^{*2}}$$を見ると「▽に〒」と「○に〒」とがあった期間は昭和43年から平成7年までのようだ。

 甲種電気用品「▽に〒」と乙種電気用品「○に〒」との違い$${^{*3}}$$は、前者は「構造又は使用方法その他の使用状況からみて特に危険又は障害の発生するおそれが多い電気用品」、後者は「甲種以外の電気用品」である。蛍光灯などは乙種電気用品「○に〒」だった。関連する旧法律$${^{*3}}$$によると電気用品$${^{*4}}$$とは一般に家庭用の電源を使って動く物で、電池などだけで動作する物は電気用品とは言わないらしい。

 電気製品に何故、郵便マークが付いていたか。昔の雑学集に載っていそうな話題だが、敢えて書く。「▽に〒」マークが最初に制定されたのは昭和10年のようだ。この頃の電気関連の管轄官庁は逓信省$${^{*5}}$$であった。逓信省のマークは「〒」だったのでこれが使われた。

 逓信の「逓」はかわるがわるとか宿場という意味である。駅逓$${^{*6}}$$局の「逓」と電信局の「信」を組み合わせて作った言葉らしい。

 郵便マーク「〒」は逓信(ていしん)の「テ」を図案化した$${^{*7}}$$ものである。このページ$${^{*8}}$$には「テ」を図案化した物ではないと書いてあるが、本家$${^{*9}}$$のページに「テ」を図案化したものであると書いてあるので間違いないだろう。「T」に一本書き加えて「〒」にしたから「テ」を図案化した物ではないというのは説得力に欠ける。「T」に一本書き加えるならば、縦棒二本になってもおかしくはない。料金不足の「T」の件$${^{*10}}$$が本当とすれば、次に片仮名の「テ」を基にするのが自然だろう。

 「$${^{*11}}$$」には色々伝説がある。

*1 電気用品安全法に基づく適合性検査
*2 電気と安全な暮らし
*3 法律第五十六号(昭四三・五・二〇)
*4 電気事業法
*5 郵政事業庁の沿革
*6 駅逓とは - Weblio辞書
*7 郵便局のマーク(〒)の由来を知りたい | レファレンス協同データベース
*8 〒, 郵便マーク, 郵便記号
*9 郵政事業庁のホームページ
*10 逓信省が甲乙丙丁の「丁」を郵便マークにすると告示したといわれる日(1887)
*11 20010603 「T」「丁」「テ」

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