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20040322 コンタクトレンズの発明(2)

 コンタクトレンズの発明者$${^{*1}}$$がレオナルド・ダ・ビンチやデカルトじゃないとすると、一体誰になるのか。

瞳の曲面に合わせて作ったレンズを直接目玉に入れるという発想は、1827年にイギリスの天文学者ハーシェルがしたらしい$${^{*2}}$$。ハーシェル$${^{*3}}$$と言えば天王星$${^{*4}}$$の発見で知られているが、コンタクトレンズのハーシェル$${^{*5}}$$は彼の息子の方$${^{*6}}$$のようである。

 ハーシェルは着想だけで、実際に作ったのは別の人だった。ガラスを目玉の曲線に合わせて削るという技術がなかなか発達しなかったためか、実際に作られるのはハーシェルの発想から60年後になった。ドイツのガラス義眼の職人F. A. Muller$${^{*7}}$$によって作られた。ただし、その用途は視力矯正ではなく、病気にかかった目の保護だったようだ。

 1888年、スイスの外科医Adolf Eugen Fick$${^{*8}}$$によって初めて眼球の光学的矯正のためのコンタクトレンズが作られた。同じ頃、全く独立にパリの眼鏡屋Edouard Kaltによっても$${^{*9}}$$コンタクトレンズが作られたらしい。

 Fickはこのレンズを「Contactbrille$${^{*10}}$$」(brilleはドイツ語で眼鏡)と呼んだ。因みにドイツ語でコンタクトレンズは「Kontaktlinsen」である。

*1 20040321 コンタクトレンズの発明
*2 The History of Contact Lenses - Seeing our Way into the Future
*3 日本ハーシェル協会
*4 天王星
*5 Herschel
*6 Jハーシェル論
*7 The OTA Legacy The Development of Contact Lenses
*8 The Virtual Laboratory Fick, Adolf Eugen
*9 History of Contact Lenses
*10 Salzburg im Internet: salzburg.com, Salzburg - präsentiert von den Salzburger Nachrichten

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