![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/65964224/rectangle_large_type_2_c63cf6d4031c070ac70289486a14b7e8.jpg?width=1200)
20041227 ラジオメータ(3)
先々月にラジオメータ$${^{*1}}$$を手に入れた。真空にしたガラス容器の中で四枚羽根の車が光をあてると回転する。イギリスの化学者クルックスが発明した$${^{*2}}$$。
ガラス容器の中にわずかに残っている気体分子が光の照射によって温められた羽根に衝突した時の反動で回転する。羽根は裏表がそれぞれ白黒に塗り分けられている$${^{*3}}$$。黒い方は光をよく吸収するので温度が上がりやすい。気体分子は白黒の色は関係なく衝突してくるが、温度が高い黒い面では気体分子が白い面よりも勢いよく跳ね返るので、その勢いの差によって羽根車が回転する。
従って黒い面が押しだされる方向に回転する$${^{*4}}$$。このラジオメータの羽根を冷やしてから光をあてると室温で光をあてるよりも回転が速くなる。光をあてた時の羽根の裏と表との温度の差が大きくなるからだ。
それでは羽根を室温よりも温めたらどうなるか。光をあてても羽根の裏表の温度差が殆ど生じないはずなので、羽根は回転しなくなるだろう。
実際にやってみた。温風ヒータの吹き出し口の前にラジオメータを置く。羽根車が勢いよく回りだした。温風の熱によって羽根が温められて回転しているのである。光をあてた時と全く同じなのだが、温風をあてているので風で回っているように見える。
温めたラジオメータを机の上に置いて暫くの間観察した。予想通り、羽根は回転しない。温度が徐々に下がってくると机の上の照明の光によってゆっくりと回転を始めた。
*1 20041029 ラジオメータ(2)
*2 Science Museum London - Treasures
*3 radiometer.jpg
*4 Radiometer Lichtmühle Light Mill 22.50 CHF inkl. MWST, Lieferfrist 4, 2 20040716_111718.avi