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20020406 宇宙の果て

 日常の生活で宇宙を意識することは少ない。私が住む場所の夜空は満天の星が輝くとはとても言えないが、そんな夜空でも見上げると地球が宇宙の中に本当にぽつんと浮いているのだろうなぁ、と思いたくなる。

 宇宙の果てはどこにあるか。

 微小世界と巨大世界との対比$${^{*1}}$$は昔の人もよく考えていた。小さい世界を覗くとその中に宇宙が見えてくるとか、宇宙の果てまで行くとその先は別の巨大な世界が現れるとか、様々なことを考えてきただろうし、今でもいろんな想像をする人はいるだろう。

 そもそも原子の模型を考える上で原子核が太陽の如く中心にあり、それを惑星のように電子が周回するというのは、微小世界と巨大世界との対比から着想したのだろう。

 宇宙を含む世界が無限の玉葱かマトリョーシカ$${^{*2}}$$のような構造になっていれば「果て」を考える必要がなくなってくるので都合がよい。無限の階層になっているので、どこでも同じような宇宙がある。微小世界の中に更に微小世界があり、巨大世界の周りには更に巨大世界がある。微小か巨大かは比較だけの差でしかない。このように考えると「果て」はあるが、「次の果て」もあって、切りがないのでそれ以上考えるのは意味がない。

 オルバースのパラドックス$${^{*3}}$$というのがある。宇宙が無限で星の数も無限であれば夜空は昼間の様に明るくなってしまう。現実はそうでないから宇宙は有限であり、星の数も有限だろう、という結論になる。しかし宇宙が有限で星の数も有限と言うだけでは宇宙が暗いという理由にならず、 更に宇宙が膨張しているという考え方$${^{*4}}$$を入れると「夜空は暗く$${^{*5}}$$」なるようだ。

 人類は月より向こうに行ったことがないので、本当に宇宙に果てがあるかどうかは判らない。更に行けば宇宙の果てがあるかどうかが判るとはとても思えないが、宇宙の彼方にはタンホイザーゲート$${^{*6}}$$があって、その先にはもう一つの宇宙があるのかも知れない。

 確かなことはオルバースのパラドックス$${^{*7}}$$や膨張宇宙$${^{*8}}$$は全て人間の頭の中で構築した理論である、ということである。「宇宙の果て」があるとすればそれは人間の頭の中にあることになる。

*1 20000712 小宇宙
*2 マトリョーシカ
*3 Olbers's Paradox
*4 sci.physics FAQ (Japanese) - part 2 of 4
*5 Olbers' Paradox
*6 (Cult) Blade Runner
*7 Olbers' Paradox -- from Eric Weisstein's World of Astronomy
*8 キッズ★ギャラクシー

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