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20040512 金属の色(3)

 金属の色$${^{*1}}$$は、その表面で金属以外の一般の物質では起こっていないようなことが起こっているから独特であるらしい。

 しかしその金属色を出すためには、金属がないと駄目かというとそうではない。現に写真で金属のような色を十分出せる$${^{*2}}$$。印刷物にしてもパソコンのモニタ画面にしても、金属らしく見える。当然、これらは金属からの光の反射で見えている訳ではない。三原色$${^{*3}}$$だけの組み合わせで「金属の色」に見えている。

 小学生や中学生の頃、図工で絵を描く時、金属を描くことは非常に難しかった。今は絵など描かないので全く困らないが、当時は銀色や金色を表現するのがなかなかできなかった。仕方がないので灰色や黄色で済ませていた。経済的に余裕があった学友は銀粉や金粉が入った絵の具を探し出してきて、それを塗っていた。粉を塗るのだから銀色や金色だが金属のようにはなかなか見えなかった。

 三原色の組み合わせでどんな色でも表すことができる$${^{*4}}$$ので、絵の具でも金属色を表現できるはずだが、小中学生の頃にはその方法が分からなかった。

 画家はちゃんと表現している$${^{*5}}$$。色だけではなく周りの映り込みを描き込むことによって金属らしさを出している。何色で塗るかだけではなく、映り込みを描くことが重要なのである。

 こう考えていくと物の色というのは、その物の本来の性質ではなく、やはり光の反射の仕方のみで決まっているということを実感することができる。

*1 キリヤ: Q&A 金や銀はきれいですが、なにか色素が入っているのですか?
*2 金の延べ板 gold.jpg
*3 キリヤ: Q&A 製剤色素のページではいろんな色素を混ぜていますね。色素を混ぜるとどうなるのですか?
*4 20000605 光の三原色
*5 WebMuseum: Chardin, Jean-Baptiste-Siméon goblet.jpg

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