20020327 窒息
窒息$${^{*1}}$$というと喉に何かを詰まらせた時や首を何かできつく絞めた時の事を思い浮かべる。苦しがってチアノーゼ$${^{*2}}$$を起こし、最悪の場合は死に至る。これらの過程は数秒ではなく数分、数時間にわたって進行していく印象がある。
自分で息を止めると1分程度は我慢できるが、突然喉に物がつまった時は心構えが出来ていないので数秒でも苦しい。苦しいが、突然意識がなくなることはないだろう。数十秒、或いは数分間もがき苦しみ、その後に意識が無くなるのではないだろうか。
意外なのは酸素のないまたは極度に少なくなった空気を吸った時の窒息である。瞬時にして昏睡状態に陥る$${^{*3}}$$らしい。色々な人の話を聞くと「一瞬」らしい。実際にこういう窒息を経験した人は帰らぬ人となっているので、どのくらいの一瞬なのか判らないが、端から見ると突然倒れるので「一瞬で窒息」したように見えるのかも知れない。
酸素のない空気を一回吸っただけで酸欠状態の血液が瞬時に脳に到達する訳ではないだろうから、何度か呼吸をしているうちに低酸素濃度の血液が脳に到達して突然昏睡状態に陥るのではないだろうか。
酸素のない空気を吸う機会は一体どういう場合に発生するか。狭く気密性の高い部屋などで何らかの原因により部屋の中の空気が他のガスに入れ替わった時、酸素の成分がなくなってしまう。入れ替わったガスに臭いがあればすぐ気付いて窒息を避けることが出来るかも知れないが、臭いがなければ判らない。
私は本業$${^{*4}}$$でたまに古い洞穴に入る時がある。落盤も恐ろしいが、窒息も怖い。洞穴で変な臭いがした時$${^{*5}}$$はすぐに穴から出る。
このような遺構の探索の場合は出来るだけ二人以上で行き、洞穴に入る時には万が一のことを考えて一人は外で待って貰うようにしている。
*1 ハイムリッチ操作
*2 Kitasato Univ. Electronic Textbook: imd00016.html
*3 『酸欠は』、意外に身近な『深刻な危険』です!
*4 遺構探訪
*5 遺構探訪 愛知航空機(株)瀬戸地下工場