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20091201 ジャンボタニシの卵

 「ジャンボタニシ$${^{*1}}$$」と呼ばれているタニシがある。昔は日本にいなかったが、1971年に食用として輸入され$${^{*2}}$$て以来、全国的に広がった外来生物である。名前の由来は在来種のタニシ$${^{*3}}$$に比べて大きいからであろう。「ジャンボ」は「巨大な$${^{*4}}$$」という意味を持つ。巨大を意味する「ジャンボjumbo」はスワヒリ語$${^{*5}}$$の「Jambo」という挨拶語$${^{*6}}$$が由来という説がある。ただしジャンボタニシはアフリカ産ではなく、南アメリカが原産のようだ。私はスワヒリ語の挨拶が「ジャンボ」の語源というのは俗説$${^{*7}}$$だと思っているので、不整合という印象はない。

 ちゃんとした和名$${^{*8}}$$は「スクミリンゴガイ$${^{*9}}$$」である。「リンゴガイ」は英語名の「Apple snail$${^{*10}}$$(リンゴカタツムリ)」の翻訳だろう。そしてその元は「リンゴの様な形をしている」からに違いない。それでは「スクミ」とは何か。殻の天頂$${^{*11}}$$が他のタニシ比べて低くなっていて、「竦んだ縮んで」様になっているので「スクミ」としたのではないか。そうだとすると「ジャンボ」とは対極の名前である。

 このジャンボタニシの卵は日本に棲息する動物にはない赤い色をしている$${^{*12}}$$。如何にも熱帯地域の生き物、という色だ。この卵がこんな色をしている理由を解説した頁$${^{*13}}$$がある。それによると「警戒色」なのだと言う。これを食べると不味いということを示して天敵から身を守るのではないか、とあった。本当だろうか。そもそも一般に「警戒色」と言う考え方は、正しいのだろうか。警戒色を持つ生き物はどうやってその色が「警戒の意味」を持たせることができるということが判ったのだろうか。そしてどうやってその形質を次世代に伝えるのだろう。天敵に捕食された時点で、次世代への遺伝の道は閉ざされている。確かに賢い天敵はその色を覚えていて、二度と食べない様にするだろうから捕食される確率は減ることになる。地球上の生物の中で一番賢いと信じ切っている人間でさえ、何度も同じことを繰り返す真の阿呆$${^{*14}}$$が沢山いるのである。本当にこの警戒色というのは機能しているのだろうか。ジャンボタニシの卵が赤いのは「たまたま」な様な気がしてならない。

*1 九州沖縄農業研究センター:スクミリンゴガイ | 農研機構
*2 ジャンボタニシの歴史 ※刷新されたページでは「1979年」に輸入されたとある
*3 底生生物(貝類) | 霞ヶ浦河川事務所 | 国土交通省 関東地方整備局
*4 20031123 マンモスとジャンボ
*5 Welcome to the Internet Living Swahili Dictionary | The Kamusi Project
*6 Swahili English: J
*7 Online Etymology Dictionary: jumbo
*8 蝶和名スロット
*9 スクミリンゴガイのホームページ
*10 The Apple Snail (Ampullariidae) Website
*11 スクミリンゴガイ
*12 一部の地域でジャンボタニシ(スクミリンゴガイ)が発生しています 仕事 兵庫県加西市
*13 スクミリンゴガイの卵塊はなぜ赤い
*14 20031018 バカについて

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