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20091129 漢字の書き方

 小学二年の末娘$${^{*1}}$$の国語の勉強を見ていたら、教材に「糸偏(いとへん)」の書き方が書いてあった。糸偏の最初の画は「くの字」になってなければならないとある。書き方としては最初の画は「く」の字で一画で書くので明朝体のように二画$${^{*2}}$$になっていると間違いだと言う。

 あほらしくて開いた口が塞がらない。これ位の違いは漢字を書く上で何ら問題にならない。二画で書いても普通に読める。現に明朝体や角ゴシック体では二画になっている。鉛筆で書くとき一画で書いた方が書き易いので大抵の人は「く」の字を書いている筈だが、これを二画で書いては駄目だと目くじらを立てるのはどうかしている。私が間違えて覚えていた漢字に「達」「備」「角」「端」などがある。「達」の「羊」の部分の横棒を二本にしていたし、「備」の右下の部分を「冊(ただし、両側ははみ出ない)」と書き、「角」の真ん中の縦棒を突き出して書き、「端」の「而」の上の横棒が抜けていた。これ位違うと間違っているということになるが、何画で書くか、トメ、ハネ、ハライなどがどうか$${^{*3}}$$など取るに足らぬことであり、しかもそれが正しい正しくないと言う根拠などどこにあるというのだ。文字の形には必然性がないので大方の正しさはその書体が使われてきた歴史にしか拠り所はない。トメ、ハネ、ハライなど大抵は書き手や活字設計者$${^{*4}}$$の美学に依存していて何が正しいかとは言えないのではないか。

 中学入試に出るからと言って鬼の首を取ったかの様に「この字のハネは間違い」などと教えている教師や親の姿を滑稽と言わずして何と言うのか。

*1 20090515 幼亀が戻ってきた
*2 小学校と中学校では、教科書の中で使われている活字の形が違う mw_kotoba_0401.png
*3 「教科書体」の文字はどちら?
*4 もじマガ_文字の巨人

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