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20090715 温血の恐竜

 恐竜は温血動物$${^{*1}}$$ではなかったか、と考える研究者$${^{*2}}$$が最近多いらしい。恐竜は爬虫類と考えられているから通常は冷血動物$${^{*3}}$$であると思ってしまう。何故なら現代の爬虫類には温血の種類がいないからだ。

 温血であるその根拠の一つに巨大な身体を動かすためには、温血ではないと駄目ではないか、と考えられているらしい。冷血だと夜に体温が下がった状態から日中に動き出そうと思っても、なかなか体温が上昇しないので餌を獲る時間がなくなって、生命維持に支障が出てくる。従って巨大化したことを考えると「温血であった」とした方が納得しやすいようだ。

 現代の爬虫類で最も体重が重い種類は何か。イリエワニ$${^{*4}}$$には体長8.5mで体重1t以上のものがいたと言う記録があるらしい。当然、爬虫類なので冷血動物に違いない。体重1tの動物の体温が一日の寒暖でそんなに変化することはないのだろう。だからイリエワニは朝から曇り空でも冷血動物に関わらず、一日中活動できるのではないのか。その代り熱帯地域にしか棲息していない$${^{*5}}$$。ゾウガメ$${^{*6}}$$も大きな甲羅を背負っているので夜中に身体が冷えきっていては昼間に体温を十分上昇させるのは大変ではなかろうか。イリエワニにしてもゾウガメにしてもその身体の大きさで、体温は夜になってもそれほど下がらないのではないか。

 こうやって考えていくと恐竜が爬虫類にも関わらず、温血動物でなければならない理由$${^{*7}}$$などないかもしれない。身体が大きくなり体重が何十トン$${^{*8}}$$もあれば、夜中でもそんなに体温は下がらないのではないか。

 それに恐竜時代は地球はかなり温暖になっていたと考えられているので、これからしても自ら体温を一定にする機能を持つ温血動物である必要は全くないような気がする。温暖でも昼夜の温度差は現在と変わらないと思うかも知れない。しかし地球上の生物の生命活動の根源は、生命誕生当時からずっと炭素原子を中心とした化学反応のはずだから、冷血動物が活発に動き回れる温度は今も何億年前でも同じ筈だ。温暖化で一日の気温が底上げされていれば、冷血動物の大きいのも小さいのも一日中活動できることになる。

*1 おんけつどうぶつ【温血動物】
*2 東京に「ジュラシック・パーク」出現
*3 れいけつどうぶつ【冷血動物】
*4 動物 - イリエワニ - ナショナルジオグラフィック 公式日本語サイト
*5 イリエワニ - 爬虫類(爬虫綱) - Yahoo!きっず図鑑
*6 ガラパゴスゾウガメ - [爬虫類・両生類]All About
*7 恐竜は温血だったのですか?
*8 July/Aug Gazette: Dinosaurs Lost and Found

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