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20010719 名前の由来

 息子が自分の名前の由来を聞いてきた。名前を付けてから9年経過して初めてのことであった。名前を付ける時、色々考えたが、名前に判じ物$${^{*1}}$$を仕込むというかある由来から名前を付けた。もともと漢字の画数による姓名判断は毛頭信じていない$${^{*2}}$$ので、名前にこのような工夫をする自由度は十分にあった。名前自体は全く珍しいもの$${^{*3}}$$ではないので、他の人が見ても何か謂われがあるとは殆ど思わないだろう。

 名前の由来はある程度の教養を身につければ判ると信じている。早ければ中学生ぐらいで気付くだろうし、遅ければ本人が老衰で死ぬ直前に気付くかも知れない。何れにしろ自分の由来が何であるかということに興味が湧かなければ永遠に本人はそれを知ることはない。その第一歩である「自分の名前の由来は何か」という疑問をもってくれた。

 生きていく中である日、その由来に気付くことが出来る可能性が出てきた。それを知った時の感動を経験させたいがための仕掛けである。出来れば小さい頃から名前の由来に疑問を漠然と抱いていて、誰に聞くということもなく大人になり、ある日突然何らかのきっかけで自分の名前の由来に気付く、というのが理想であった。由来を聞きにきたこと自体は興味を持っているということが確かめられたので、私にとっては都合がいい。それに応対すれば息子にとっては何か仕掛けてあるということを薄々気付いてしまうので、将来判った時の感動が少し薄まうのではないかと思う。判った時に初めて「仕掛けてあった」と気付くのが一番いい。

「父さん、俺の名前はどうやってつけたの」
「教えんよ、秘密」
「なんでぇ、どうして秘密なの」
「駄目だ、絶対秘密」

 これでは仕掛けてあることが完全にバレてしまっている。突然聞かれたので巧い対応が出来なかった。願わくば、息子にこの会話を忘れてしまって欲しい。しかし彼が何かのきっかけでこの文章を読んでしまえば、また思い出すので更に将来の感動が薄れてしまうだろう。が、もうどうでもよい。父親との知恵比べ程度に思ってくれればよい。

*1 20000702 広重
*2 20010322 姓名判断
*3 名付け災害撲滅運動

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