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20090811 雨の中の地震

 今朝、結構強い地震があった。震源地近くの静岡県伊豆地方では震度6弱、愛知県西部でも震度4$${^{*1}}$$が観測された。揺れている時間が短かったので、特に大きな被害はないようだ。

 台風が近づいているので静岡は雨であった。地震速報のテレビジョン放送で流されている固定カメラの記録映像を見ていると雨の中で映像が大きく揺れている。地震と降雨とが同時に起こっている。私のいい加減な感覚では地震と雨とが重なることはまずない、となっていた。雨もしくは雪が降りしきる中、地震が起こると言うのは如何にも厳し過ぎる。天はそこまで人間に対して厳しい仕打ちはしないだろう$${^{*2}}$$。

 そう考えてきた根拠はある。雪の場合、雪が重しとなって地面が押さえつけられ、地震が起き難いのではないかと言う学説$${^{*3}}$$がある。大雪と地震とが重なることは滅多にないのかもしれない。では雨の場合はどうか。地震はどのような仕組みで起こるのか。地球は地殻と呼ばれる地球の半径に比べると極薄い皮の様な物に覆われている$${^{*4}}$$。地殻の下にあるマントル$${^{*5}}$$と呼ばれる層があり、これが対流しているのでそれにつられて地殻もゆっくり移動している。地殻は何枚もの板に分かれていて$${^{*6}}$$、その板一つ一つはプレートと呼ばれている。十年以上前に私はこのプレートの境目を見に行ったことがある$${^{*7}}$$。糸魚川$${^{*8}}$$にある。こんな感じ$${^{*9}}$$に境目が見られる。境目で地殻プレートが歪(ゆが)んだり歪(ひず)んだりして発生する$${^{*10}}$$らしい。

 雨が降って地面が緩めば、歪みが開放されて地震は起き難いと漠然と考えていた。しかも地面が普段よりも水を吸っていれば、それだけ重くなるのでやはり雪の場合と同じ様に地震が抑えられるのではないか。

 だから「雨の日には地震は起こらない」と思っていた。愛知県で1mm以上雨が降る日は大体年間120日位$${^{*11}}$$らしい。地震が天候と関係なく起こるとすれば、地震を感じた日に雨が降っている確率は1/3ぐらいありそうだが、全くそんな印象はない。殆どというか全部、地震が起きた日は雨が降っていない気がする。愛知県では家から咄嗟に飛び出るような大地震はここ数十年起きていないが、おぼろげな記憶にある最後の比較的大きな地震は晴れた昼間だった。

 しかし、今朝は雨の中、地震が起こった。ただし震源である駿河湾から少し離れている愛知県では地震発生時に曇ってはいたが、雨は降っていなかった。たまたま雨の日に当たらないだけなのか。それとも記憶が曖昧なだけか。考えてみると「雨が降る日に地震が起こらない」ことの理由として、地面に滲みた雨の重さや地盤のゆるみで揺れ難いとするのは変だ。今回の地震の震源地は駿河湾である。震源地の上は海なので、地上の雨どころではない。やはり地震と降雨との関係は全くないのだろうか。

*1 マグニチュード(M)と震度について
*2 20070701 環境問題の本質
*3 社団法人日本地震学会:ニュースレター:vol.13 no.5 (2/10) 年周地殻変動と積雪荷重
*4 4.1 プレートテクトニクス
*5 地球惑星物理学科 [ マントル対流 ]
*6 Plates of the Earth
*7 20000902 フォッサナグナ
*8 ジオパーク GeoPark フォッサマグナパーク
*9 9511030010.jpg
*10 地震について調べてみよう|なんでも調べ隊|学研サイエンスキッズ
*11 愛知県の暮らしに関する行政情報【生活ガイド.com】 愛知県の基本情報

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