20001007 デシリットル
子供の宿題を眺めていたらこんな問題があった。
次の単位$${^{*1}}$$を直しなさい。
73dl=( )l( )dl
dlはデシリットルでリットルの10分の1である。だから答えは7リットル3デシリットルであろう。しかしこんな表記を日常使うのだろうか。デシリットルもあまり使わないので「リットルデシリットル」という言い方は更に聞かない。
そもそも「7リットル3デシリットル」という言い方は正しいのだろうか。65.5003kgを「65キログラム500グラム3ミリグラム」と言い直すのは聞いたことがない。「65キロ500」というのはあるかもしれない。
例外がある。長さの単位では上記のような言い方をする。1.73mを「1メートル73センチ」と言うし、26.5cmは「26センチ5ミリ」と言う。ただ、「1メートル73センチメートル」「26センチメートル5ミリメートル」とはあまり言わない。
小数点という便利なものがない頃は「1.8尺」を「1尺8寸$${^{*2}}$$」と単位そのものを変えて表記していた。今でも十進法以外の場合は、小数点表示し難いので桁そのものを単位にしている。時間や時刻の表記がそうである。
ところで73デシリットルを長さの単位のように言い直すのであれば「7リットル3デシ」となる。これは変である。「キロ」や「センチ」のような単位の桁を表す接頭語$${^{*3}}$$が、ある特定の単位として認識される場合は、小数点を使わなくても「1メートル73センチ」と冗長でない表現が出来る。
しかし「デシ」や「ヘクト」のように接頭語としか認識されない場合は小数点を使わないとどうしても冗長で珍妙な表記になってしまう。
*1 標準
*2 尺八について(歴史)|公益財団法人 都山流尺八楽会
*3 語源探究雑学エッセイ集「コトバ雑記」 原子から宇宙まで