20041020 今年二回目の石垣島・西表島(8)
二日目の午後$${^{*1}}$$の後半は本格的な遺構探訪$${^{*2}}$$に向かった。祖納$${^{*3}}$$というところに太平洋戦争中に建設された砲台があるという情報は掴んでいる。
去年の西表島$${^{*4}}$$では、笹藪の中にある砲台の近くまで行ったのだが、ハブ$${^{*5}}$$が怖くて見ることができなかった。今回は不退転の決意で臨んだ。長靴は用意しなかったが、長袖、長ズボン、スニーカー及び軍手を用意した。去年は半袖半ズボン及び草履だった。
砲台の詳しい場所を再確認するため、現場近くで聞き取りを行った。レンタカーを路上駐車した所で丁度老婆に出会ったので、彼女に砲台のことを聞いてみた。すると確かに去年に行き着いた場所に砲台の跡があるということだった。
藪が鬱蒼としているから中に入るなら鎌を貸してやろうかとおっしゃったので、遠慮せずにお借りした。「終わったらどうすればよろしいでしょう」と尋ねると小屋の中に置いておいてくれということであった。思いがけない人情に触れることができた。この調子でいけば必ず砲台を見つけることができる。そう思えてきた。
早速、藪の中に入っていった。仲間の一人が道の途中で拾ったコーンバー$${^{*6}}$$や捕虫網の柄で行く先の笹を叩きながら進んだ。ハブに噛まれないようにするためである。虫好きの仲間は慣れていてずんずん奥に入っていく。ところが砲台が見つからない。そんなはずはない。
藪の近くで農作業していた男性に聞いてみた。「あぁ、それならこっちだ」といって10mぐらいずれた場所を指した。春先にはタケノコ採りで砲台の近辺に毎年行くらしい。我々が去年目星を付けた場所は間違っていた。
示された所は更に鬱蒼としていた$${^{*7}}$$が、道の痕跡がある$${^{*8}}$$。とは言え、鎌$${^{*9}}$$で笹を刈りながらでないと入れない。
刈りながらなのでなかなか進まなかったが、諦めずに奥に入っていくと朽ちかけたコンクリートがちらりと見えた$${^{*10}}$$。とうとう見つけた。これは砲台ではなく、付随する施設跡だった。砲台は必ずあると思いながらも探すとすぐ近くに砲台跡$${^{*11}}$$があった。
直径7~8mぐらいのすり鉢状の砲台である。高角砲$${^{*12}}$$を据え付けたのだろう。構造は三浦半島の武山砲台$${^{*13}}$$に似ているが、武山砲台に比べるとかなり小さい。四角い弾薬庫と中心に円形の砲床$${^{*14}}$$とが見える。草を刈れば全容が判るのだが、コンクリート製の砲台は如何にもハブの巣になっていそうなので、諦めた。
砲台跡は空が開けているので蝶が飛来しやすいらしい。日本最大の蝶$${^{*15}}$$「オオゴマダラ」が捕れた$${^{*16}}$$。
ここに遺構探訪と蝶捕りとの接点が出現したのであった。
*1 20041019 今年二回目の石垣島・西表島(7)
*2 遺構探訪
*3 沖縄県八重山郡竹富町字西表 祖納(そない)
*4 20031028 石垣島(8) 西表島の砲台跡
*5 ハブの館
*6 コーンバー|ニチホの保安用品・レンタル
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*12 大恩寺山砲台
*13 武山砲台(その1)
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*15 沖縄県の蝶「オオゴマダラ」について/沖縄県
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