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20001205 数の数

 数(すう)の個数がどれだけあるかという数学には議論があるようだ。いくらでも大きな数があるからその個数なんていくらでもあって数え切れない。しかし数え切れないにしてもその「多さ加減」の差はあるだろう、ということで「数の個数」を比較するのである。

 数の基本は自然数だろう。指を折って数えることが出来る基本的な数である。自然発生的に出来た「数」だから自然数というのだろうか。この自然数を定義する方法$${^{*1}}$$もあるが、最初からこの「数」があることとしよう。「数える」ということはこの自然数を1から順番に対応させていくことになる。

 数は無限にあるのだから自然数を対応させていってもいつまでも数え終わらない。そこで自然数で対応させることが出来ると証明されれば、それは自然数と同じ個数の「数(すう)」ということが言えるだろう。つまり「多さの加減$${^{*2}}$$」が同じということが言える。

 例えば自然数「1、2、3、・・・」と偶数「2、4、6、・・・」はどちらが個数が多いか。100迄の自然数というように限定すれば偶数の方が少ないに決まっているが、無限個ある個数の比較では自然数と偶数は同じになる。何故かというと偶数を2で割れば自然数全体になるので、偶数に自然数を対応させられるということが判る。

 では整数と自然数とではどうか。整数は「・・・-3、-2、-1、0、1、2、3・・・」だから自然数よりも負の部分が多そうに思えるが、そうではない。例えば「0」→1、「1」→2、「-1」→3、「2」→4、「-2」→5、・・・と整数に自然数を対応させることが出来るので、整数も自然数と同じ個数である。更に有理数は分母分子が整数の分数で表すことが出来る数なので、「1/1」→1、「2/2」→2、「3/2」→3、「2/1」→4、「3/1」→4、「4/2」→5、「5/3」→6、・・・という具合に有理数も自然数に対応させることが出来る。従って有理数も自然数も同じ個数があるということになる。

*1 20000630 1+1
*2 非可算集合

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