20040606 自動車の変速機
一般に自動車や二輪車の原動機はガソリンエンジンやディーゼルエンジン$${^{*1}}$$が使われる。これらのエンジンは、燃料が燃焼したときの気体の膨張が原動力になっている。エンジンの気筒の中に霧吹きの様な物で燃料を吹き付ける$${^{*1}}$$。これをピストンで圧縮して、その圧縮した燃料の霧に火を点けて爆発させる$${^{*2}}$$。爆発すると中の空気が膨張してピストンが押されるので力が出る。つまり気筒内に霧を吹き込んでその霧を圧縮した状態で点火しないと力が出ないので、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンは自分から動き出すことが出来ない。とにかくだれかに燃料の霧を圧縮するところまで最初にやってもらわないと動き出せない。一回動き出せばその勢いで燃料を圧縮することができるので回転し続ける。ある程度の回転数がないと霧を圧縮できなくなるので止まってしまう。
一方、電気モータの原動力は電磁力$${^{*3}}$$である。磁界の中で電気を流せば、その電線を動かそうとする力が発生する$${^{*4}}$$。モータが止まっている状態でも動き出すことができる。磁界の中で電流を流せば力が発生するので電源を入れれば、自分で動き出す。
エンジンは燃料の霧の濃さで回転数をある程度調整できるが、低回転時には力がでないことや燃料の使用効率を考えると変速機で回転数を大きく変えてやった方がいい。微調整は燃料の霧の量で行う。自動車や二輪車はゆっくり走ったり、かなり速度を出したりするので変速機がどうしても必要だ。電車のモータは回転数が0でも電流を流せば大きな力が出る。従って変速機を使わなくても電流の流し方で速度が自由に調整できる$${^{*5}}$$。モータは電流の向きを変えれば回転の方向が変わるが、エンジンは回転方向が常に同じなので、歯車などで回転方向を変える仕組みが必要である。
自動車の変速機による回転数の変換は人間がシフトレバーで行う。大抵は歯車で回転数を変える仕組み$${^{*6}}$$なので、変換が段階になっている。乗用車では3~6段$${^{*7}}$$になっている。大型トラックだと7段もある$${^{*8}}$$場合がある。自動的に変速してくれるオートマチックトランスミッション$${^{*9}}$$でも変速用のレバーが付いている。オートマチックトランスミッションには半分自動で半分手動$${^{*10}}$$のものもある。この型は各段階に自動的に移行する設定にしたり、レバーで切り替えることにより運転者の意思で各段階に移行させることができる設定にすることができる。私の所有する自動車も半分自動半分手動$${^{*11}}$$になっている。
*1 ガソリンエンジンとディーゼルエンジンの違いと比較|車検や修理の情報満載グーネットピット
*2 20040509 イリジウム
*3 TEPCO : 電気・電力辞典 | フレミングの法則
*4 モーターの話
*5 Just! Railway 鉄道技術解説トップページ 第四章 電気車の制御方式(本編)
*6 技術科@スクール(Technology Education @ School) 分解博物館~トランスミッション(変速機)
*7 SUBARU-IMPREZA WRX
*8 ISUZU:トラックゼミナール
*9 【Movie】Q&A動画版「トランスミッションを"解剖"する」
*10 第86回 より安定した走りへ -AT最新事情 その2- |テクの雑学|TDK Techno Magazine
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