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20021003 金木犀

 今年の春頃に山村に住む友人$${^{*1}}$$から「この土地では寒すぎるので花が咲かないから、お前にやる」と言われ、金木犀$${^{*2}}$$の木を貰った。

 早速、家の庭に植えて、秋に花が咲くのを楽しみにしていたが、結局今年は咲かなかった。枝がかなり切り落とされていたので新芽を出すのが精一杯で花を付けることが出来なかったのだろう。来年は咲くと思われる。

 金木犀というと思い出すことが二つある。一つはガムである。現在は販売されていないようだ。ロッテの香水ガム「イヴ$${^{*3}}$$」である。

 幼少の頃、隣の家のお兄さんがプロパンガスの配達業務をしていた。下校途中にガスボンベを載せた軽トラックを運転するお兄さんと出くわすと、トラックに乗せてもらい配達に付き合った。車内には湖池屋のポテトチップス$${^{*4}}$$とこのガムがいつも置いてあった。当時はカルビー$${^{*5}}$$からポテトチップスはまだ発売されておらず、ポテトチップスといえば「コイケヤ」だった。

 何とも言えない香りのするガムだった。それが金木犀の匂いということはかなり後から知ったが、自分たちがよく知っているハリスの風船ガム$${^{*6}}$$やマルカワのガム$${^{*7}}$$とは全く違う大人の世界の匂いだった。

 このお兄さんは10年ほど前に他界してしまった。

 あと一つは四コマ漫画のサザエさん$${^{*8}}$$である。

 波平が近所の庭に咲く金木犀を見て、通りがかった人に「キンモクセイが匂いますなァ」と声を掛ける。するとその人は「あぁ、よく臭いますねぇ」と歩きながら答える。更に続けて首を傾げながら「あの事件$${^{*9}}$$は本当によくわからんですな」といいながら波平の前を過ぎ去る。波平はその突拍子もない返事に驚く。

 「キンモクセイ」を「キンダイチュウ」と聞き違えるところが面白いところだが、大して面白くない。幼少の頃に読んだ時は何が面白いのかさっぱり判らなかった。ただ、「キンダイチュウ」という言葉は連日テレビで流されていたので知っていた。この漫画が掲載されたのは「金大中(きんだいちゅう)氏拉致事件$${^{*10}}$$」が起こった頃で、「キムデジュン$${^{*11}}$$」とは読まなかった時代である。

 金木犀というと「ロッテのイヴ」と「金大中」とを思い出す。

*1 20010816 金玉
*2 キンモクセイ(金木犀)
*3 キムワイプ イヴ
*4 株式会社 湖池屋
*5 ダイジェスト|カルビー
*6 カネボーフーズ 社史
*7 丸川製菓(株)名古屋市西区新道1-9-9
*8 長谷川町子美術館のページ
*9 キム・デジュンさんってどんな人?
*10 【日弁連】 金大中氏拉致事件について
*11 金大中大統領略歴

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