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20011017 イチジク浣腸

 数ヶ月前に生まれた娘$${^{*1}}$$が便秘気味なので家族の皆が心配している。

 その張本人は何とも平気な顔をしているのでそれ程心配する必要がないのかも知れないが、一週間近くも何も出ない状態だと周りは不安になってくる。新生児に薬剤での浣腸をすると何となく脱水症状を起こしそうで恐ろしい。綿棒による肛門の刺激や排便を促す薬$${^{*2}}$$で対処している。

 私も幼少の頃にはイチジク浣腸$${^{*3}}$$の世話になったことが度々あったのを憶えている。浣腸を肛門に突っ込まれて数分間我慢するのが辛くて、母親に浣腸をするといわれると恐ろしくて仕方がなかった。本人は体の不調を全く感じていないのだからなおさらである。小学校に上がった頃からは排便に支障は全くなくなり、今日に至っている。従ってその頃から浣腸はやったことはない。

 妻と、そういえば上の娘$${^{*4}}$$も赤ん坊の頃は便秘で困ったという話をしているうちにイチジク浣腸の名前の由来の話になった。私は当然あの形$${^{*5}}$$が無花果$${^{*6}}$$に似ているからそうなったのだと思っていた。ところが妻はイチジクは自然の便秘薬$${^{*7}}$$だからそれに因んで付けられたのだという。

 一体、本当のところはどうなのか。イチジク浣腸を製造しているイチジク製薬株式会社の沿革$${^{*8}}$$を見てみる。特に「イチジク」の由来は書いてない。

 検索サイトで調べてみるとここ$${^{*9}}$$やここ$${^{*10}}$$に「イチジク浣腸」の由来が書いてあった。

 因みにこの二つのページは同じ文献$${^{*11}}$$を参考にしているので、ページに書かれている文章が殆ど同じになっている。いくら同じ文献を参考にしてもこうも文章が似てしまうのは凄まじい偶然である。違っているのは本来「田村廿三郎$${^{*12}}$$」であるべきところが、ここ$${^{*9}}$$では「廿(にじゅう、じゅう、にゅう)」という字を知らなかったためか「甘」になっている点だけである。

 そこにはイチジクの由来は当時流行っていた数え歌からとと書いたあった。それは「イチジク、ニンジン、サンショウにシイタケ、ゴボウにムクロジュ、・・・$${^{*13}}$$」という歌である。これは子供の頃、親に教えて貰ったことがある。更にその替え歌として「イチジク、ニンジン、サンマのシッポ、ゴリラ$${^{*14}}$$のムケチン$${^{*15}}$$、・・・」というのもあった。どちらの歌も途中までしか知らない。

 しかし単にこの数え歌から名前を付けたというのは納得しがたい。やはり形、無花果の効能からくる連想、そしてついでに流行り歌、これらを総合的に考えて付けられた名前であろう。そうでなければ創業以来70年以上も浣腸一筋でやってこられないだろう。

*1 20010730 新しい家族
*2 和光堂 医薬品
*3 イチジク製薬ホームページ
*4 20010505 すみれ
*5 製品紹介
*6 無花果 (いちじく)
*7 薬膳の書 いちじく
*8 会社沿革
*9 Room of Mad Scientist イチジク浣腸
*10 歴史(制作者不明 問い合わせ先はad_just@hotmail.comとある)
*11 Amazon.co.jp: 本のデータ: 餅屋の論理―餅は餅屋(プロフェッショナル)が明かす発想の極意!
*12 あいさつ
*13 無花果人参
*14 20001103 ゴリラゴリラ
*15 お母さんのための包茎講座

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