20060412 四人そっく
幼少の頃の遊び$${^{*1}}$$に「四人そっく」と名付けられた遊びがあった。軟式テニスボール$${^{*2}}$$を使ったハンドテニスである。ラケットの代わりに手の平で打ち返す。四人以上で行う。四人テニス$${^{*3}}$$、四人ハンドとも言った。
地面に一辺が4m程の田の字を書く。これがコートになる。四人がそれぞれの升に入って試合をする。それぞれの升には順位があり、勝てば順位の高いコートに移動できる。我々の地域では、順位は「ABCD」であった。「1234」の場合もあったかもしれない。他には「元帥大将中将少将」というのもあったらしい。
四人以上で行う場合、「D」の者が負ければコートの外で待機している者と交代する。八人で行う親子戦もあった。負ければ外で待機している親か子が入れ替わる。親子戦の時はコートの交代はなかった様な気がする。
ルールは卓球$${^{*4}}$$に似ていたが、少し違っていた。サービスは卓球と同じで、まず自分のコート内で弾ませて相手のコートに入れる。相手は誰でもよい。対角のコートが相手になる場合もある。レシーブも一度自分のコートで弾ませてから相手のコートに入れる。この時もサーブ側に球を返してもいいが、他のコートにも返してもいい。以後同様に誰がどのコートに打ち返してもいい。
テニスでは、打ち返すまでに自分のコートで球を弾ませられるの一回以下だが、我々のルールは必ず一回弾ませなければならなかった。それ以降は何回でもいい。コート外で弾んでいる球を打ち返してもいい。通常は一回で打ち返すが、二回以上弾ませて打ち返す場合もあった。空振りして後ろに行った球を追いかけて打ち直してもいい。ただこれは事実上殆ど不可能であった。従って空振りした時点で負けを認めることになる。得点をつけないので、これで勝敗者が決定する。勝者は最後に敗者に対して打球した者である。そして順位の入れ替えがなされる。
勝敗の決まり方は他にもある。自分のコート内で弾ませずに打ち返せば、それで負けになる。打ち返した球が自分のコート内で一度弾んで、次の着地点がどの相手のコートでもない場合も負けになる。つまり二度目はコート外もしくは自分のコート内に球が着地しては駄目だ。
打ちそびれて球が後方に転がってしまった場合の打ち返し法が考案された。完全に止まってしまった球を手で掴んで自分のコートに持ってくるまでは、ルール上は試合が継続していることになっている。何回弾ませても打ち返す機会は認められているからである。球を「手で掴む」から負けを認めたことになる。それならば止まっている球を手で掬ってそのまま放って自分のコートで一度弾ませ、相手のコートに入れられれば「手で掴んだことにはならない」という新解釈が出てきた。この技法は、確か「すくい」と名付けられていたと思う。
ただ、この「すくい」はコート内で停止した球に対しては適用が難しかった。狭いコート内で掬って自分のコートで弾ませるので球が思った様に弾まない。球を高く放り上げれば弾むが、着地点が狙いにくいし、弾んだ後、相手のコートに球が行きにくい。
そこで更に止まっている球を手の平で打ちつけて弾ませる技が開発された。地面に対して斜めに打つとその場で弾むと同時に打ちつけた方に球が飛んでいく。かるた取り競技の要領$${^{*5}}$$である。これはその場で一度弾んでいるので、球の飛んでいく先は相手のコートになっていないと負けになってしまう。
この技法にも名前が付いていたと思うが、思い出せない。
*1 20060323 馬跳び
*2 NTT西日本|個別認定選手<ソフトテニス>|ソフトテニス【早わかり】ガイド
*3 てんちょう、いっこつ、元大中小……手でするテニス : 横浜テニス研究所
*4 卓球のルール【卓球のルール】
*5 HOW TO PLAY かるた