20010727 池の自然
家の近くに大きな池がある。この池は公園として整備されている。市民が心地よくこの公園を利用できるよう看板に注意書きがある。
犬の糞の始末はちゃんとしてくれとか、ゴルフの練習はするなとか、普通の公園の注意書きによくあるようなことが書いてある。目を惹いたのは「自然の生態系を保護するため、外来種(ブラックバス、ミドリガメなど)を放すのはやめましょう」とあったことだ。
生態系の保護$${^{*1}}$$まで考えて注意書きが書かれているなんて地方自治体の活動としては珍しいことのように思えたので、少し感心した。この池は元々灌漑用に作られた人工池である。作られたのは江戸時代よりも前らしい。人間が自然に手を加えて池を作っているのだから数百年前であっても作った当時は生態系に大きく影響を及ぼしているのである。しかしそうは言ってもそれが数百年経ってしまえば、自然と言ってもいいのであろう。源流から流れ込んできた水棲生物がこの池で繁殖して、人工池ではあるが現在は自然そのものとなった。
そして何のためなのか判然としないが、現在はこの池の周りに舗装した歩道を造り、柵などを施して池を整備した。池の護岸のためなのか池の全周はコンクリートで固められている。
ところが池の岸辺がコンクリートになっているとメダカや亀などは繁殖ができない。
看板に書いてある文言と池に施していることがこれだけ矛盾するのも珍しい。
*1 (財)日本生態系協会
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?