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20070717 温暖化の説明図(2)

 地球温暖化の仕組み$${^{*1}}$$の解説で、大気を膜と考え、そこからの赤外線エネルギーが放射されるとする説明図$${^{*2}}$$がある。考えてみるとこれは全く辻褄の合わない説明図だ。この図で言うエネルギーは「$${1}$$平方メートル当たり」のエネルギーである。エネルギー保存の法則$${^{*3}}$$はあるが、「$${1}$$平方メートル当たりのエネルギー」の保存の法則はない。足し合わせることは基本的にできない。当たり前の話だ。例えば、太陽光のエネルギー密度は赤道付近と北極付近では全く違うが、もともとの太陽から出ている光のエネルギー密度は太陽と地球との大きさを考えれば地球上どこでも同じである。密度の値を足し合わせることは無意味だ。

 この図$${^{*2}}$$では、大気の薄い膜から上下に$${1}$$平方メートル当たり$${236W}$$放射されている。上下に$${236W}$$出ているから合計「$${1}$$平方メートル当たり$${472W}$$」にはならない。大気の膜の上下のどこを測定しても「$${1}$$平方メートル当たり$${236W}$$」であって、上下を合計する物理的な意味は全くない。大気があってもなくても太陽から降り注ぐエネルギー量は同じとしたのだから、宇宙から見て地球から放射されるエネルギーも同じでなくてはいけない。従って大気の膜は、大気がない地球の地表と同じ「$${-19\degree C}$$」になっている筈だ。この温度を保つためには地表からの放射は同じ値の「$${1}$$平方メートル当たり$${236W}$$」でないと収支が合わない。つまり大気がある場合の地表も大気がない時の地表の温度と同じ「$${-19\degree C}$$$${^{*4}}$$でないと、大気の膜が地表から受ける放射が「$${1}$$平方メートル当たり$${236W}$$」にならない。

 最終的には大気があっても地表の温度は変化しないことになる。そもそも熱的に釣り合いが取れていることを前提に計算しているのだ。太陽から降り注ぐエネルギーによって大気のない地球が$${-19\degree C}$$になっているということは「$${-19\degree C}$$の表面温度の太陽」がすぐ近くにあることと同じ事になる。太陽の表面温度は約$${6000\degree C}$$$${^{*5}}$$だが、地球までの距離が遠い$${^{*6}}$$ので光が広がって$${1}$$平方メートル当たりのエネルギー量はかなり小さくなってしまっている。大気がある場合も同じだ。宇宙から見て地球から放射される$${1}$$平方メートル当たりのエネルギーが同じなら、大気も当然「$${-19\degree C}$$」である。

 地表や大気からのエネルギー放射量密度から地球温暖化は全く説明できないことになる。

*1 20070716 温暖化の説明図
*2 環境白書
*3 ローラーコースターでエネルギーの散逸を学ぶ ー 遊園地でSTEM+CHEG教育 | てすろく旅行記
*4 もし地球に大気がなかったら(図1)
*5 太陽
*6 地球

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