見出し画像

20011029 「機」「器」「儀」

 「機」と「器」と「儀」の共通点は何か。すべて仕掛けを持った道具を表す漢字である。中国語から来た用法なのか日本独自の用法なのか定かではないが、読み方が三つともよく似ているので間違いやすい。特に「機」と「器」の使い分けが判りにくい。

 「機」が付く言葉には「飛行機$${^{*1}}$$」「織機$${^{*2}}$$」「写真機$${^{*3}}$$」「発電機$${^{*4}}$$」などがある。これら機械には最新の技術が盛り込まれているものも多いのだが、こうやって並べてみるとかなり古くさい感じがする。「写真機」という言葉は最近は殆ど使われない。

 「器」が付く言葉には「消火器」「小火器$${^{*5}}$$」「測定器」「受話器$${^{*6}}$$」「電熱器$${^{*7}}$$」「楽器$${^{*8}}$$」「分度器」などがある。「消化器」はこの場合、意味が少し違う。この「器」は生きるはたらきを受け持つものであって道具ではない。

 「儀」が付く言葉には「地球儀$${^{*9}}$$」「水準儀$${^{*10}}$$」「四分儀$${^{*11}}$$」「六分儀$${^{*12}}$$」「八分儀$${^{*13}}$$」などがある。「儀」が付く道具は殆ど日常で使われることはない。「儀」は天文学や測量などで使う道具に付く漢字なので、普通これらの漢字が付いた装置を目にすることは殆どない。

 「機」と「器」との違いは仕組みの複雑さにある。「機」は「器」よりも複雑な仕組みを持つ道具である。更に「機械」と「器械」との違いは動力を持つか持たないかである。しかしもともと動力を持たない「計測器」や「測定器」でも「機」を使っている。「計測機」「測定機」は本来は誤用なのであろう。最近の計測器の中には先端技術を応用した複雑怪奇な仕組みを持ったものも沢山あるので必ずしも「器」とは言えないかもしれない。

*1 日本飛行機 HOME PAGE
*2 TOYOTA INDUSTRIES CORPORATION
*3 安原製作所ホームページ
*4 ヤマハ発電機 LINEUP
*5 豊和工業株式会社
*6 受話器のケーブルのからみはこれで解消しよう
*7 八光商事 & 八光電機製作所 HOME PAGE
*8 河合楽器 株式会社
*9 地球儀
*10 一級水準儀 PL1/GS1 
*11  四分儀 Quadrant
*12 六 分 儀
*13 はちぶんぎ座

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?