20090730 レオナルド・ダ・ビンチの素描
レオナルド・ダ・ビンチ$${^{*1}}$$の素描を見ていてふと気付いた。この素描$${^{*2}}$$に書かれている文章の部分の単語の並びは右が揃っていて、左が凸凹している。まるで画像を反転させたようになっている。よく見ると文字も裏返し$${^{*3}}$$のようだ。
試しに画像ソフトで反転させてみるとまともに見える$${^{*4}}$$。これは一体どういうことなのか。紙に書かれた素描を電子化する時に間違えて反転させてしまったのか。反転させると文字は正しそうに見えるが、素描に書き込まれているハッチング$${^{*5}}$$がダ・ビンチの特徴と食い違ってくる。ダ・ビンチのハッチングは左上から右下もしくは右下から左上に流れている$${^{*6}}$$。これがダ・ビンチが左利きだった$${^{*7}}$$根拠にもなっている。画像を反転させると、このハッチングが右利き式になってしまう。
初めて知ったのだが、レオナルド・ダ・ビンチは定常的に鏡像文字を書いていた$${^{*8}}$$らしい。件の素描$${^{*2}}$$に書かれた文章だけが反転しているのではなく、他の文章も皆もともと反転している$${^{*9}}$$ようだ。左利きならば右から書き始めた方が書き易いし、文字も反転させた方が左手で書くなら筆が運びやすい。実際にやってみると左手だけで鏡像文字を書くの少し考えなければならないが、右手左手を同時に使って同じ文字を書くと比較的楽に書ける。鏡文字を書くことは左利きであれば、天才だけの特殊技能と言う程でもない。
とは言え、時々正常な文字を書いてしまっている$${^{*10}}$$ようだ。
*1 20040326 レオナルド・ダ・ビンチの断面図
*2 UCB Libraries | Special Collections | Printed Page and Early Modern Italy CASE II: Zach Pong VinciGrappling.jpg
*3 VinciGrappling1.jpg
*4 VinciGrappling_rev.jpg
*5 ハッチングとは - ZDNet Japan
*6 leda.jpg
*7 The Metropolitan Museum of Art - Special Exhibitions
*8 大阪樟蔭女子大学 図書館 | 展示
*9 vitruvian.jpg
*10 VinciGrappling2.jpg
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