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20090812 庭の蚊への餌やり

 朝、亀ども$${^{*1}}$$に餌をやるために庭に出ると数秒後には自分の露出した足の肌に蚊が止まり血を吸い始める$${^{*2}}$$。庭で飼っている亀に餌を与えているつもりだが、庭にいる蚊にも自らの体の一部を餌として与えている様なものだ。

 それにしても速い。私が外に出た瞬間に、私の存在を捉えて血を吸いにくる$${^{*3}}$$のである。いつも不思議に思うのは、何故、私の足を目がけて血を吸いに来るのか。蚊は二酸化炭素を嗅ぎ分けると言われている$${^{*4}}$$。人体の周りで二酸化炭素濃度が一番高いと考えられるのは鼻や口の付近であろう。蚊はここに集まってもいい筈だが、どうもこれがよく判らない。人間の出す二酸化炭素によって周りの空気の二酸化炭素量がどの程度増えるのだろう。普段の空気中の二酸化炭素の量は0.03$${^{*5}}$$~0.04$${^{*6}}$$%程度で、これが人間の呼吸によって大きく変化するのだろうか。周りの空気の二酸化炭素量が5%を超えれば、二酸化炭素中毒の症状が出てくる$${^{*7}}$$らしいので、ここまでは増えていないことになる。屋外で自分の出す二酸化炭素によって中毒を起こしたと言う話は聞いたことがない。

 蚊は、空気中の二酸化炭素のほんの僅かな増加を犬の嗅覚$${^{*8}}$$のように察知することができるのか。犬の鋭い嗅覚は、大気中に含まれる臭いの分子の有る無しが敏感に嗅ぎ分けられるだろうが、濃度のほんの少しの増加を捉えるというのは難しそうである。蚊にそんな鋭敏な器官あるとは思えない。しかも二酸化炭素は常温で化学的に安定しており動物の器官との反応は殆どない筈だ。葉緑体$${^{*9}}$$を持つ植物は二酸化炭素の他に水と光とがあれば光合成$${^{*10}}$$ができるので、これで二酸化炭素が検知することが可能となるかもしれないが、蚊に葉緑体はない。二酸化炭素の一部は水に溶ければ炭酸となるので、これの濃度は蚊に判るかもしれない$${^{*11}}$$。人間も炭酸の濃度は舌で検知できる。まぁ、この場合は水に溶け込んでいる二酸化炭素が気化する時の舌への刺激なのか、水と二酸化炭素とが化学反応してできた「炭酸」そのもの$${^{*12}}$$の味なのかはよく判らない。蚊は体内に空気を取り込んで、水と二酸化炭素とを反応させ炭酸を作り、その濃度が普段よりも増加したのを悟って人間が現れたのを知るのだろうか。ほんの数秒の間に。

 亀の水槽の直ぐ近くにガス給湯器がある。ガス給湯器からは大量の二酸化炭素が放出されるが、これに蚊が集まっているのを見たことがない。やはり蚊と二酸化炭素とは全く無関係なのだろう。

*1 20070602 亀の水槽(3)
*2 20040922 誘蚊灯
*3 知識の宝庫!目がテン!ライブラリー 簡単激とれ 蚊ホイホイ
*4 簡単激とれ 蚊ホイホイ
*5 空気中の酸素の割合は、どのくらいなの
*6 地球環境フロンティア研究センター -- 大気組成の仕組み
*7 二酸化炭素中毒って、なんなの
*8 花王 ペットサイト 犬を知る 犬の不思議サイエンス 犬の優れた嗅覚の秘密とは?
*9 葉緑体とは
*10 光合成 | 学習百科事典 | 学研キッズネット こうごうせい【光合成】
*11 20040930 蚊と二酸化炭素(5)
*12 水のpHと水草

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