20011026 天賞堂
天賞堂$${^{*1}}$$と言えば鉄道模型$${^{*2}}$$だと思っていたが、もともとは時計屋らしい。更に創業時は印刷業者$${^{*3}}$$だったようだ。天賞堂では昭和24年より鉄道模型の製造販売を開始し、現在に至っている。時計貴金属と鉄道模型というのはどちらも精密工作物という点でつながりがある。大人の趣味と子供の趣味とこれらを同じ店で売るというのは、一見違和感があるが、鉄道模型は子供から大人までの趣味であり、どちらも夢を売りさばくという点から言えば同根である。
その天賞堂で私の物欲を駆り立てる時計$${^{*4}}$$が売られている。天賞堂が企画し販売する限定生産の時計なので、実際の販売は今年の12月からであるが、現在予約を受け付けている。何故私の物欲を刺激するかというと、この時計$${^{*5}}$$には針が沢山付いていること、他の時計にはない珍しい機能が付いていることが理由である。
珍しい機能とはミニッツリピーター$${^{*6}}$$という機能である。この機能は音で現在の時間を知らせる機能で、時計の横のボタンを押すとチャイムが鳴って時を知らせる。デジタル時計の中には音声で時刻を知らせるもの$${^{*7}}$$もあるが、それとは違う。
夜光塗料が発明される$${^{*8}}$$前は夜中に時計の時刻を読みとるには照明が必要だったのがこのミニッツリピーターの発明$${^{*9}}$$のきっかけである。任意の時刻を音で知らせる機能を機械で作り上げるのは相当複雑な機構*9が必要になってくるだろう。時刻の知らせ方$${^{*10}}$$は二種類の音を組み合わせる。その音を鳴らす機構は二つの槌と二つの輪状になった鐘である。これを打ち鳴らすだけでも複雑そうである。一度鳴らすとゼンマイがかなり戻ってしまうのではないだろうか。音を聞く$${^{*11}}$$とそんな感じがする。
複雑すぎるが故、時計の値段は相当なものになる。1000万円以上$${^{*12}}$$が当たり前のようである。
天賞堂のミニッツリピーターは水晶振動子式の機械時計なのでその値段は百分の一である。それでも10万円以上する。海外の同じような時計$${^{*13}}$$でも10万円以上している。電池で動いているので電子的に時刻を読み取りそれを音にするのだろう。おそらく槌と鐘の組み合わせではなく、裏蓋の内側に装着された振動板で音を出して時刻を知らせる仕組みと思われる。いちいち槌を機械的に動かしていたら直ぐ電池が無くなってしまうに違いない。
調べていく内に天賞堂のミニッツリピーターの素性が何となく解ってきた。この腕時計の中身はシチズン製$${^{*14}}$$ではないだろうか。意匠が殆ど同じである時計$${^{*15}}$$を見つけた。文字盤と針が違うだけである。しかし雰囲気は天賞堂の方$${^{*5}}$$が圧倒的によい。
それにしても一体どんな音がするのであろうか。
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*7 商品名: BEAMS TALKING WATCH
*8 コラム - 世界に誇れるネモトの技術
*9 Repeaters
*10 パテック フィリップへの誘い 第23回:グランド・コンプリケーション 2020年新作|パテック フィリップ・オーデマ ピゲ・ウブロは渋谷のヨシダ(YOSHIDA)
*11 http://www.tokeibegin.net/Special/sounds/09.aiff
*12 ミニッツリピーターは機械時計の最高峰です。
*13 Quartz minute repeater watch by Shellman and Company
*14 エクシードスーパースタンダード(ミニッツリピーター)
*15 【楽天市場】c-watch company
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