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二郎暦10年の私が、二郎に対する偏見を解いてやろうじゃないか。


前回の記事:

こんな動画を見つけてから数日経過しました。

ありもしない「30の暗黙のルール」が未だに「無責任な噂」として独り歩きし続けています。

大体動画のタイトルが「ラーメン二郎」じゃなくて「次郎ラーメン」の時点でお察しなわけですが。

実際はこんなに厳しいルールなんて存在しません。

にもかかわらず、相変わらず動画のコメント欄は二郎や二郎ファンを傷つけるような内容ばかりです。

以下、実際のコメントを引用させていただきました。
これはほんの一部ですが、こういうコメントが9割以上です。

気色悪い店だな
くっだらな絶対二郎とか行かんわ
宗教か何か?
二郎って行ったことないけど、行かなくていいやw
たかがラーメンでばかみてぇ。会員制にしろよ。ていうか潰れろ。
ほんとキモイ。好きに食わせろよ。
10年後には食べただけで店員に怒られそう
『ブレがある』とかふざけてないで店ならちゃんと同じ味作れや
こんなラーメン屋は嫌だの代名詞
店員が神様とかいいなwww 職場としては働きやすそうwww
とにかく通ぶってる客がうざい
豚の餌って言われる所以が溢れ出てる
なんかオタクの内輪ネタって感じで気持ち悪い…
ロットを乱すなとか言われるとキツイっす!
信者たちは「二郎に詳しい自分」に酔ってるだけだろ
フォーマルな店ならルールとか分かるけどなあ...あれは餌だ

こんなコメント欄を見て傷付かない二郎ファンなんて、誰もいないでしょう・・・。

そんな動画の締めが「私も今度二郎に行ってみたくなったよ」ですからね。お笑いがお上手ですよ。

ということで、どうやらラーメン二郎に対してとてつもない偏見や誤解が生まれているようですから、事実と異なる部分を『動画投稿主の代わりに』二郎暦10年の私が全部訂正してやろうと思います。

以下では動画で「暗黙のルール」として紹介された内容を、私自身の経験に基づいて「偏見」「誇張」「真実」に分けて紹介します。

なお、似たような項目などはある程度まとめて紹介していますので、こちらで指摘した項目数は動画内の「30個」とは一致していません。ご容赦ください。


偏見1. 客が勝手にルールを決めている

当然、客が勝手にルールを決めているわけではありません。

1. 店側が用意した最低限のルール  (例:「並び方」など)
2. ごく一般的なマナー (例: 「待ち客がいるときは席を譲る」など)

この二種類です。

1. 原宿にパンケーキを食べに行こうが、スタバにフラペチーノを飲みに行こうが、そこには「店側のルール」があります。それと一緒です。二郎が特別なわけではありません。

2. 「マナー」は言うまでもなく「ルール」ではありません。
どちらかというと「文化」「慣習」のようなものです。
従って、マナーを守らなかったからといってペナルティが与えられるとか、そんなことはありません。誰も強要しません。
ただ、電車のマナー、映画館のマナー、図書館のマナーがあるように、二郎のマナーがあるだけです。ゲシュタルト崩壊しそう。

Point!
ファンが店の合意なくルールを決めるということはない。

※ なお、トッピング制度(通称コール)の誕生経緯については「まとめ」をご覧ください。


偏見2: 並んでいる間は私語を慎む

これは半分正しいが、半分間違い。
正しくは以下の通りです。

「大声禁止」をルールとしている店もあるが、ほとんどの店ではそのようなルールとしてはなく「マナー」として存在している。

まず、「私語全般」を禁止にする店は存在しないはずです。

その上で、「大声での会話」を規制する店はあります。それは「ご近所への配慮」「店員同士のコミュニケーション」というちゃんとした理由があると言われています。勿論、客が勝手に決めたわけではありません。

もっとも、そのようなルールを決めている店のほうが少数派です。
ではなぜ、二郎の店内はこぞって静かなのでしょうか。

それは簡単です。二郎に夢中だからです。

旨いものを食っていると自然と口数が減るもの。
それだけの理由です。

だから、例えば「他人が残した」とか「他人がマナーを破った」とか、そんなこと気にも留めません。「ラーメン」という自分だけの神秘と向き合うことに幸せを感じることで精一杯なのです。

ちょっとレアですが、三田本店ではマダム2人が小声で会話しながら食べている光景が見られることがあります。確かにマダムたちは周りのお客さんに配慮はされていましたが、別にマダムたちは委縮している雰囲気でもありません。電車の中で会話している感覚と一緒です。

Point!
「私語厳禁」なんてルールはない。
ただ、みんなラーメンに夢中なのです。


偏見3: 一人で並べ。カップルや友達と行くな

これを書いた人は完全にエアプですね。

安心してください。

友人連れ・カップル連れ・夫婦・親子のお客さん、めちゃめちゃいます。

大半は15席程度のカウンターしか用意されていませんが、店員さんが連続した席を用意してくれることがほとんどです。よっぽど混雑してない限りは大丈夫ですし、少なくとも入店拒否とかはありません。

特に「栃木街道店」「茨城守谷店」など郊外店ではかなり大きめのテーブル席が用意されています。
また都内では「野猿二郎」や、今は亡き「新小金井街道店」にもあったはずです。

同伴者の数で入店拒否されることはまずない。
同伴者にも快く対応してくれる。
ただし、超混雑時は隣の席を用意してくれる保証がない。(5%弱の確率)


偏見4: 並んでいる間は携帯で電話しない

これは、「一般的なマナーの範囲」です。ルールではありませんし、取り立てて二郎だけのルールとして取り上げられるのはいかがなものかなと思います。

実際、「通話」についてはルールとして明文化されている例はほとんどありません。しかし、他のお客さんの迷惑になるので「マナーとして」控えたほうがいいかもしれません。

誤解しないでほしいのは、スマホでネットサーフィンしたりゲームしたりする分には問題ありません。

店員さんから「食券見せてください」とか「ニンニク入れますか?」とか聞かれたときにちゃんと応答する。それ以上でも以下でもないです。
それは吉野家でもスタバでも一緒です。

Point!
通話は「マナー」的に控えたほうがいいかも。
でも携帯自体を触ってはいけないわけではない。
店員さんとのコミュニケーションが出来ればOK。


偏見5: 麺の硬さ・量の指定は店員に迷惑だから避ける

違います。
正しい知識はこうです。

「少な目」「麺半分」といった量指定を断る店はない。
麺の硬さについては、店によっては断られることもある。

店としても適量を食べてほしいと考えるのが自然ですし、食べられない量を提供して残されて店側にどんなメリットがあるのでしょうか。

というわけで、「麺量を減らす」のが迷惑なんていうこと自体が間違いです。

一方、麺の硬さについては対応してくれるかどうかは店によります。これは二郎が特別というわけではありません。確かに最近こそ麺の硬さを指定できる店は増えましたが、一般的には麺の硬さを聞いてくれる店のほうがレアです。つまり二郎が決して特別なルールを設けているわけではないことを、ここで申し添えておきましょう。

硬さ指定の可否は店内に張り紙があることが多いですが、張り紙が無くても一応ネット上のレビュー等で確認するのが無難です。

一つ注意しないといけないのは、このような「麺量」「硬さ」の注文は食券を提示するタイミングで言わなければならないこと。さすがに茹で始めてしまうと対応が難しいです。

「量を減らす」ことは全く問題ないが、食券を見せるタイミングで伝えるようにする。
「麺の硬さ」は引き受けてくれないこともあるので、気になる場合は予め調べておくと吉。

※ ちなみに後で触れますが、仮に「少な目」「麺半分」を伝えそびれてラーメンを残してしまっても誰も問題視しません。詳細な説明は偏見13.をご参照ください。


偏見6: 入店したら店に挨拶しなくてはならない

自由です。
ルールでも何でもないです。

98%のお客さんはしません。(私の経験調べ)
私もしたことないと思います。

でも挨拶できるって、普通にいいことですよね。

Point!
挨拶するかどうかは個人の自由。


偏見7: 席についたら携帯をいじらない

こんなルールはありません。

既に解説済なので結論だけ。
詳細は「偏見4.」をご参照ください。

Point!
店員とのコミュニケーションさえ出来れば、携帯触ろうが自由!


偏見8: 店内一切会話禁止

嘘です。
詳細は偏見3.で解説済です。

私語厳禁というルールは存在しない

ただ、後ろに長い行列が出来ているときに沢山喋りながら食べてしまうと、お店や他のお客さんにご迷惑をおかけしてしまいます。なので勿論ルールではありませんが、「喋りすぎて遅くなる」ことはマナーとして避けたほうが良いでしょう。

焦って早食いをする必要はありません。
ただ、実際に行けば分かりますが店が狭いので、あまり長居する雰囲気ではないことは念頭に入れておきましょう。

Point!
お店や他のお客さんに迷惑をかけない範囲での私語は無問題。
お店や他のお客さんの配慮は忘れずに。


偏見9: 店員の働きぶりを観察する

そんな義務はありません。

偏見も甚だしいです・・・。

ただ、私個人は麺上げの所作を見るのは好きです。エンターテインメントとして。

Point!
好きにしてどうぞ。


偏見10: 食べ方を強制される

いよいよ動画投稿者がエアプなんじゃないかと思ってきたのはこの辺です。

実際はこうです。

店側やお客さんが食べ方を強制することはありません。
食べるテクニックはありますが、採用するしないは自由です。

動画では「野菜にスープをかけてから食べる」「天地返しをする」「ニンニクは混ぜない」という紹介をしていますので、それについて解説はしておきます。

まず、「野菜にスープをかけてから食べる」のは、野菜に味が付いていないからです。分かりやすい理由ですね。
続いて「ニンニクは混ぜない」は、途中で混ぜることで味変を楽しむことができるからです。

最後に、「天地返し」とは野菜の下にある麺を引き出して野菜の上に載せることです。実は動画内では「野菜を食べてから天地返しをする」と紹介していますが、正しくは「野菜を『食べる前』に天地返しをする」のです。これが「動画投稿主は実は二郎知らないのではないか・・・」と思ったきっかけです。
なぜ天地返しをするのかといえば、同様に「野菜に味が付いていない」ことに加え、「麺が伸びるのを防ぐ」ためなのです。実は、天地返しは食べるペースに自信のない方にこそ向いている食べ方なんです。

これらが動画内で紹介されていたテクニックですが、採用するもしないも自由です。むしろ色んな食べ方があるからこそ、二郎は面白いのです。

ちなみに私個人は、「野菜はスープをかけずに素の味で食べる派」「天地返しはしない派」「ニンニクは後半に混ぜる派」です。

Point!
正しい食べ方などない!
自由を楽しもう!


偏見11: 誰かとフードファイトする

さすがにうんざりしますね・・・。

ポイントだけまとめておきます。

Point!
二郎は他人と競うためのコンテンツではない。
早食いは悪ではないが、善でもない。


偏見12: 味の感想や点数を店員に伝える

ごく一部の常連客は去り際に短く「美味しかったです」ということがあるものの、それはルールではないし、点数を店員に言う人なんて一切いないです。

でも「美味しかった」ことを伝えるって、なかなか出来ないことだと思います。

別に無理にやる必要はありませんが、良い感想を伝えたいという気持ちを阻む必要はありません。「ごちそうさま」だけでも十分伝わると思います。

Point!
感想や点数を言うルールは存在しない。
感謝を伝えたい人は「ごちそうさま」でも十分伝わる。


偏見13: 食べ残しはギルティ

私、あんまり「ギルティ」という言葉自体好きじゃないんですけど、一応解説しておきます。

「小ラーメン」を半分残した程度では店側から何か言ってくることはない。

ギルティとはザックリ言うと「お店に迷惑をかける行為」を指しますが、つまるところ「ネットスラング」です。「ネタ」です。「フィクション」です。

実際に店から「お前はギルティだ!」と通告されることはまずありません。

ちなみに「ギルティ」と「出禁」は別モノです。
出禁を怖がっている方もいらっしゃるかもしれないのですが、よっぽどでない限り出禁なんか食らいません。

出禁になるレベルって多分「大ラーメンブタWヤサイタワー」を9割残したような場合です。これですら本当に出禁になるかも分かりません。
つまり、常人には関係のない話です。都市伝説です。

ただ、食べ残しが少ないに越したことはありません。最初は「小ラーメン」「麺少な目」など小さいサイズを注文し、自分の適量を知ることから始めると良いでしょう。残しても気にする必要はありません。

Point!
最初は「小ラーメン」や「麺少な目」から始めよう。
量が多かったら、無理に食べる必要はない。
普通に頼んでいれば「ギルティ」や「出禁」など無縁。
二郎暦10年以上の私でさえ見たことありません。
気にする必要、全くなし!


偏見14: 店内のティッシュは使わない

だとしたら、何のためのティッシュなんですかね・・・。
正しい知識は以下の通りです。

ティッシュを置いていない店もあるので、持参しているほうが無難。
置いてあるティッシュは使ってよいが、店内のゴミ箱に捨てること。

二郎では全ての店舗で必ずしもティッシュが置いてあるわけではありません。むしろティッシュを置いていない店のほうが多いかもしれません。そういうわけで、食べ終わった後にお口周りや汗を拭くためにティッシュやハンカチを持参しているほうが無難なのです。もちろん強制ではありません。

店内にティッシュがある場合は、もちろん使って問題ありません。トラップじゃないです。

注意したいのが、退店時にカウンターにティッシュを一緒に置くと店員さんに「ゴミ箱に捨ててください」と言われることがあります。もしティッシュを使ったら、一般的なマナーとして店のゴミ箱に捨てるのがよいでしょう。

Point!
置いてあるティッシュは有難く使いましょう。
使ったティッシュはカウンターではなくゴミ箱に捨てましょう。


偏見15: 大盛でも5分で食わなければならない

勿論嘘です。
というか大盛を5分で食える人は「ジロリアン」と呼ばれる人のなかでもそう多くはありません。

自分のペースで食べることが何よりのご馳走です。確かに雰囲気的に急かされていると感じるかもしれないのは無理のないことなのですが、実際は誰も急かしてません。30分くらいかけて食べる人も見かけたことがあります。

なお、同じ30分でも「携帯をいじりながら」や「沢山喋りながら」の場合、店側から指摘を受けるかもしれません。つまり、お店や待っているお客さんに迷惑をかけない範囲であれば、自分のペースでゆっくり食べていても問題ないと思います。

Point!
食べる速度に自信がなくても大丈夫!
ただし、「ながら食べ」で遅くなるのは避けるのが賢明です。


偏見16: テーブルだけでなく持参のティッシュを使ってテーブルを拭く

「持参ティッシュ」については偏見15.をご参照ください。

二郎では次のお客さんのために、カウンター上にある布巾でテーブルを拭いてから退店するという「マナー」があります。もちろん、ルールではありません。

これ自体は正しいのですが、そこにさらにティッシュを使う必要はありません。布巾で拭くだけで十分です。

Point!
布巾でテーブルを拭いてから退店するのは二郎流マナーです。
ただし、ティッシュまで使う必要はありません。


偏見17: 店員は神様、何をされても客は黙って従う

例えばジェットコースターに乗るときに係員の指示を聞かずに勝手に動くのは遊園地や他のお客さんに迷惑をかけますよね。それと一緒です。

私たちは店員を神聖視しているわけではありません。崇拝しているわけでもありません。しかし、お店とお客さんの協力あって初めてサービスが成立するのは、二郎に限った話ではありません。

Point!
二郎が特殊なことを要求しているわけではありません。
お互いが気持ちよく過ごすためにルールやマナーは存在しているのです。


誇張1: 食券は店員に見えるように見せる

ルールではなく人としてのマナーの範囲です。
これ以上説明不要でしょう。


誇張2: 店員の指示があるまで立って待つ

これは店によるものの、確かに大半の店では「店員の指示」があるまで「立って」待つことになります。

しかし、「店員の指示」に従うのはサイゼリヤと一緒です。空席があるからと言って、店員の指示を待たずに座る人なんていませんよね。何ら特別なことを言っている訳ではありません。

入店まで立って待つことも、別に二郎が特別というわけではありません。原宿のパンケーキも、GUのポケモンコラボも、あらゆる業態において「立って待つ」というスタイルが一般的です。
これを態々ルールとして取り上げるのは、動画投稿者の悪意を感じます。

※ 店によっては「座って待つ」ために椅子が用意されていることもあります。

「店員の指示」に従って「立って待つ」ことは特別なことではない


誇張3: トッピングを聞かれたら0.5秒以内に答える

「ニンニク入れますか?」

トッピングは複数のお客さんのものをまとめて聞くスタイルなので、早いに越したことはありませんが、明文化されたものでもなければ、別に急かしているわけでもありません。

確かに「聞かれてからゆっくり考える」のは難しいですが、さすがに2~3秒程度の考慮時間はあります。

ただ、注文から着丼まで最低でも10分はあるので、その間に決めておけば良いのです。自信がなければ、「ニンニク入れます」「入れません」で十分です。

焦らない。
慣れないうちは着丼までの時間がたっぷりあります。
その間にゆっくり考えておきましょう。
迷ったら「ニンニク入れます / 入れません」で伝わります。


真実1: 券売機で食券を買うタイミングは注意する

これはホントです。店によってルールがまちまちです。
大きく「買ってから並ぶ」「並んでから買う」の二種類があります。

でも今の世の中は親切です。Google先生に『ラーメン二郎 ○○店 並び方』とでも聞けばすぐ教えてくれます。二郎暦10年の私でさえ、ご無沙汰の店に行くときは調べます。

恐れることはありません。集合知を活用しましょう。


真実2: 食券提示時にトッピングのオーダーをしない

これは店側からのルールとしてあります。
ほとんどの店で明文化されている訳ではないのですが、買ってすぐトッピングをオーダーすると大抵の店で「直前にお伺いします」と言われます。

そう、あのセリフです。

「ニンニク入れますか?」

これが合図です。

ただ、別にタイミングを間違えても恥でも何でもありません。
誰しもが自分や他人の経験から学ぶものです。
タイミングを間違えたからといって店員から叱られることはありませんし、気にもしていません。

安心してください。
周りのジロリアンはシャイなだけで、内心「頑張れ~」と思っています。

※ 三田本店など、ごく一部の店舗では、そのままオーダーを受けてくれることもあります。

Point!
提供直前に「ニンニク入れますか」と聞かれたときに答えるのが正しいタイミング。
ただ、間違っても気にしない!
店員は気にしないし、経験者は暖かく見守っています。


真実3: マシマシが出来ない店でマシマシしない

すっごい小泉構文みたいです。
でも動画で言われていた文言をそのまま引用しただけです。

例えば、野菜を増すためのコールの大小関係はこんな感じです。

ヤサイ ≦ ヤサイマシ < ヤサイマシマシ

しかし、「マシ」「マシマシ」には対応していない店は意外とあります。そもそも「マシ」や「マシマシ」は店側のご厚意です。「必ずやってくれる」と思い込まず、「あったらいいなぁ」程度に思っておきましょう。

なお、対応していない店で「マシ」「マシマシ」と言ってしまうと却って量を減らされることもあります。これらのコールをする場合は「麺の硬さ」の場合と同様に、対応状況を下調べしておくとよいでしょう。店内に張り紙がある場合もあります。

言うまでもなく、これは客が勝手に作ったルールではありません。
店側のルールです。

Point!
「マシ」や「マシマシ」は店側のご厚意。
体感で言うと半分くらいの店舗では対応していません。
「対応していたら嬉しい」程度に捉えておきましょう。

※ ちなみにトッピングの量に一番柔軟に応えてくれるのは品川店だと思います。なんとマシマシの上を行く「タワー」というコールが唯一存在します。ただ、品川店は標準でも量が多い上、遊び半分で頼んでしまうと店側に迷惑をかけてしまうので、最初からタワーをコールするのはやめましょう。


真実4: 食べ終わったら連れを待たずに退店する

これは二郎独自のマナーとして存在します。もちろん、待ち客がいない場合は同伴者を待つことは特に問題視されません。

ただ、偏見9.でも書きましたが、「長居する雰囲気ではない」です。というのも、店側では複数人分まとめて麺を茹でているので、基本的に次のお客さんに譲ってあげるとお店や他のお客さんに親切ではあります。

待つこと自体が100%ダメというわけではないです。
しかし、次のお客さんの準備をしているお店側、それを楽しみに待っているお客さんのための配慮は必要です。

再三になってしまいますが、これは店が早食いを強制しているわけではありません。店側は空席の数をある程度目星をつけて次のラーメンを用意しますが、空席数の予想から1~2人程度ズレても1杯当たりの量を調整したりして上手く対応しているのを見かけます。
なので自分のペースで食べることは問題ないことを改めて強調しておきたいと思います。

Point!
食べ終わったらテーブルを拭いて次の人の為に退店するのが二郎流マナー。
待ち客がいる場合は、お店の外で連れを待ちましょう。
お店の回転を意識して早食いする必要はない。


補足1: ローカル・ルール

二郎では店舗によってシステムにちょっとした差異があり、これを一般に「ローカル・ルール」といいます。

「ルール」と付いていますが、そんなに仰々しいものではありません。
以下の3点を押さえておけば、必要十分です。

・並び方
・食券を買うタイミング
席への案内

これらは『二郎 ○○店 ローカルルール』で調べれば誰かがレポしてるので、移動中の電車でサクッと検索して参考にすれば十分です。

まず「並び方」です。
二郎は23区を中心に雑居ビル街などに立地していることも多いため、並び方に配慮しないと隣のビルの駐車場をふさいでしまったりしてご近所にご迷惑をおかけしてしまうことがあります。
そこで、「ココは並んでいい」「ココは駐車場のために空ける」など、近隣の方々へ配慮するために並び方は重要です。もっとも、初見であっても前の人を真似ていればよいので、迷った場合は周りの人を観察してみてください。
なお、並び方なんて二郎に限った話じゃありません。マナーの範疇です。

「食券を買うタイミング」は真実1.で紹介した通りです。「買ってから並ぶ」のか「並んでから買う」のかを抑えておけば十分です。

「席への案内」は誇張2.で説明した通りです。
大半の店は「店員の指示があるまで待つ」パターンです。たまに「席が空き次第座っていい」パターンもあります。2パターンしかないですから、軽く押さえておくとよいですが、迷ったら前のお客さんを観察しましょう。

Point!
ローカル・ルールは意外と少ない!怖くない!
迷ったら、前の人を真似すれば大丈夫!


補足2: 下調べについて

例の動画には、このような趣旨のコメントも沢山ありました。

わざわざ下調べしないと行けないラーメン屋とかクソ

どうしてもラーメン屋というと「フラッと入るもの」というイメージがあります。この辺は私も一般論として共感できます。


反論したいのは「下調べしないといけない店」が悪いことなのか、です。

例えば何処かに旅行に行くとき、程度の差はあれ「下調べ」しますよね。その時に「ワクワク」を感じませんか。「こんな店があるんだ」「道順はこうで…」「こういう絶景も見れるんだ」と。

あるいは、ちょっと格式の高いレストランに行くときに「こんなドレスコードが必要なんだ」「どうやって行こうかなぁ…たまにはタクシー乗ってみようかな」と、下調べしているうちに「ワクワク」しませんか。

私たちは旅行をするとき、人と会食をするとき、家電を買うとき、必ず「下調べ」をしますよね。「下調べ」があるからこそ「想像」が膨らみ、「ワクワク」として体験できるのです。その幸せたるや。

それが二郎であっても一緒です。私は「下調べ」も重要な食事のプロセスだと考えています。

もちろん「サプライズ」も好きです。何も調べず、気の向くままに歩く「ミステリーツアー」も好きです。しかし、「下調べ」したからこそ得られる楽しみもあると、私は思うのです。


補足3: 私的アドバイス

動画では一切言及されていなかった点について、初心者の方に私からアドバイスが一点だけあります。

それは「2,000円札 / 5,000円札 / 10,000円札 は崩しておく」ということです。

大半の二郎は「2000円札以上には対応していない券売機」を採用しており、かつ「両替機が置いてない」ことがほとんどです。そのため、大きいお札は店員に両替を頼む必要があります。

もっとも、両替を拒否されることはまずありません。しかし、初心者にとっては「両替をお願いするために店員に声を掛ける」というのはハードルが高いと思います。

そこで、もし大きめのお札しか用意していない場合、コンビニなどで黒烏龍茶などを買って1,000円札や小銭を用意しておくと楽になります。

Point!
1,000円札や小銭を用意しておくと、初めの一歩を踏み出しやすい!
崩し忘れても店員さんが快く両替に応じてくれるはずです。


まとめ

結果発表。

17個の偏見
3個の誇張
4個の真実

でございました。

ルールらしいルールは以下の「3点」ぐらいです。

・ 食券の購入タイミング
・ 席への案内
・ トッピング(コール)のタイミング

残りは「マナー」か「一般常識」か「嘘」です。
この通り、何も特別な店ではありません。

そしてこの中に「客が勝手に作ったルール」は1つもありませんでした。

※ もっとも、今や定着している「トッピング(通称コール)」はお客さんからの要望が定着しルール化したものだと言われています。その意味では完全にゼロではありません。
しかし、お店にはそれを拒否する権利があったにも関わらず、お店側のご厚意により制度化されたに至ります。このボトムアップ的に生まれた慣習が、長い時を経てラーメン二郎という一つの文化として店側・客側の双方に受け入れられていることを、誰が糾弾できるでしょうか。

とにかくお伝えしたいのは、「所詮は二郎」なんです。
何ら特別なことを要求している店ではありません。
ドレスコードもないですしね。

もっとこう、力を抜いて食べに行っていいんです。
人それぞれの楽しみ方があります。
それをお互いに尊重することの重要性を感じました。


そして根拠のない偏見で傷つく人もいます。

あの動画は後半に「大半は嘘でした」とネタバラシしているので、ある意味で「間違ってはいない」です。

しかし動画のコメント欄を見るに、結果的に「ありもしない偏見を広めた」こと、「その偏見が多くの人に真実として伝わった」こと、「真実と受け取った人たちがこぞってバッシングした」こと、「それによって精神的に傷付いた人がいた」ことは揺るぎのない事実です。

「どんなにそれが『間違っていない』としても、その方法によっては人知れず他人を傷付けることがある」ということを、私自身、肝に銘じておきたいと思います。

そして、心無いコメントを動画に寄せた方々へ。

もし貴方がラーメン二郎を食べない人だとしても。もし微塵も興味を持っていない人だとしても。

貴方の知らない「ラーメン二郎を作ってくれる人」が居て、貴方の知らない「ラーメン二郎を愛している人」が居る。

その事実だけは忘れないでほしいです。


画像1

表紙: 「レベルの高い合格点を超える二郎 オールウェイズ出してくれる」で有名な神田神保町店。移転前。いつも行列だけど一番好き。

裏表紙: 「やさしさの塊」京急川崎店。嬉しいときも、泣きたいときも、常に寄り添ってくれた思い出の店。

続編 (?)



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